試用期間で「もう辞めたい」と感じると、入社したばかりなのに甘えなのか、会社にどう伝えればよいのか、次の転職で不利になるのかが不安になりやすいものです。

結論から言うと、試用期間中でも退職を考えること自体は珍しいことではありません。ただし、試用期間だから何も確認せず辞めてよい、即日で退職できる、と決めつけるのは危険です。まず確認すべきなのは、雇用契約の期間、就業規則の退職手続き、労働条件が事前説明と違っていないか、体調面の緊急度です。

この記事では、e-Gov法令検索の民法、厚生労働省の労働契約・労働条件に関する情報をもとに、試用期間で辞めたいときの判断基準、伝え方、次の転職での説明方法を整理します。

  • 試用期間で辞めたいとき、最初に確認する書類が分かります。
  • 即日退職、2週間前、1カ月前などで迷ったときの見方を整理できます。
  • 会社への伝え方、退職理由、引き継ぎの準備ができます。
  • 次の面接で短期離職をどう説明するか考えられます。

試用期間で辞めたいと思ったら最初に確認すること

試用期間で辞めたいと感じたら、感情だけで退職日を決める前に、まず手元の書類を確認しましょう。見るべきなのは、労働条件通知書、雇用契約書、就業規則、採用時の求人票や募集要項です。

厚生労働省は、労働契約締結時には賃金、労働時間などの労働条件を明示する必要があると説明しています。また、明示された労働条件が事実と違う場合には、労働者が即時に労働契約を解除できるとされています。「辞めたい理由」が相性の問題なのか、労働条件の相違なのかを分けることが重要です。

確認するもの 見るポイント 辞め方への影響
労働条件通知書 契約期間、業務内容、勤務地、賃金、労働時間、休日 事前説明と違う場合は、相談や即時解除の検討材料になる
雇用契約書 期間の定めがあるか、更新条件、退職手続き 無期雇用か有期雇用かで考え方が変わる
就業規則 退職申出の期限、退職届の提出方法、貸与物返却 会社との調整をスムーズにしやすい
求人票・募集要項 仕事内容、残業、休日、勤務地、雇用形態 実際の条件と違う点を整理できる
勤務記録・メモ 残業、指示内容、体調不良、面談記録 相談窓口に説明するときの材料になる

参照ポイント

「試用期間だから」ではなく、契約の種類で見る

民法第627条では、期間の定めのない雇用について、解約申入れから2週間を経過することで雇用が終了するとされています。一方、民法第628条では、期間の定めがある雇用でも、やむを得ない事由がある場合の解除が定められています。

試用期間中かどうかだけで判断せず、無期雇用なのか、有期雇用なのかを先に確認しましょう。

試用期間で辞めたい理由別の判断基準

試用期間で辞めたい理由は、人によって違います。入社前に聞いていた仕事と違う場合、上司や職場の雰囲気が合わない場合、体調が崩れている場合、単に慣れていないだけの場合では、取るべき行動も変わります。

辞めたい理由 まずやること 退職判断の目安
仕事内容が事前説明と違う 求人票、労働条件通知書、実際の業務を比較する 条件の相違が大きいなら、相談や退職を検討しやすい
職場の人間関係が合わない 誰と何が合わないのか、配置や相談で改善可能か分ける 心身に影響が出ているなら早めに相談する
教育体制がなく放置されている 上司に確認事項と困っている点を具体的に伝える 改善の見込みがないなら、続けるリスクを考える
体調不良が続いている 受診、休職可否、相談窓口を確認する 退職交渉より安全確保を優先する
思っていた仕事と違い、興味が持てない 短期的な慣れの問題か、職種ミスマッチかを整理する 次の職種選びに活かせる理由なら前向きに説明しやすい

転職Tips

「辞めたい」をそのまま退職理由にしない

会社に伝えるときも、次の面接で話すときも、「合わない」「無理」だけでは相手に伝わりにくくなります。

仕事内容、勤務条件、教育体制、体調、キャリア方針のどれが理由なのかを分けておくと、退職も次の転職も進めやすくなります。

即日退職したいときに注意したいこと

「明日から行きたくない」と感じるほど追い詰められている場合、即日退職を考える人もいます。ただし、一般的には会社との合意や契約形態、労働条件の相違、体調不良などの事情によって進め方が変わります。

無断欠勤のような形にしてしまうと、会社との連絡、貸与物、給与精算、社会保険、離職票などで手続きがこじれやすくなります。出社が難しい場合でも、退職意思、連絡可能な手段、貸与物返却、必要書類を文章で残すほうが安全です。

  • 体調不良がある場合は、医療機関の受診や診断書の取得を検討する
  • 会社に行けない場合は、電話だけでなくメールやチャットでも退職意思を残す
  • 貸与PC、社員証、制服、鍵などの返却方法を確認する
  • 給与、交通費、社会保険、離職票、源泉徴収票の扱いを確認する
  • 退職を拒否された、脅された、体調不良が深刻な場合は外部窓口に相談する

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会社への伝え方と退職理由の作り方

試用期間で辞める場合でも、会社への伝え方はできるだけシンプルで構いません。詳しい不満を長く話すより、退職意思、希望退職日、引き継ぎや貸与物返却に協力する姿勢を伝えるほうが、手続きが進みやすくなります。

テンプレート

上司に伝えるときの文面例

「お時間をいただきありがとうございます。入社後、業務内容や働き方を確認する中で、今後のキャリアとの相違が大きいと感じました。」

「短期間で恐縮ですが、退職についてご相談させてください。」

「希望退職日は〇月〇日です。引き継ぎ、貸与物返却、必要書類についてご指示いただけますでしょうか。」

「体調面の事情があるため、今後の出社可否についても相談させてください。」

退職理由は、相手を責める表現にしすぎないほうが実務上は進めやすいです。たとえば「上司が無理です」ではなく、「業務内容や職場環境との適性に大きなズレを感じた」「体調面への影響があり、継続勤務が難しいと判断した」のように整理します。

次の転職で不利になるかは、説明の仕方で変わる

試用期間で辞めたこと自体が、次の転職で自動的に不利になるわけではありません。ただし、面接では短期離職の理由を聞かれる可能性があります。大切なのは、前職の悪口ではなく、入社前後のギャップ、学んだこと、次に確認する条件を説明することです。

避けたい説明 整えた説明
人間関係が悪かったので辞めました チームでの進め方や教育体制との相性に課題を感じ、次は業務範囲と育成体制を確認して応募しています
仕事内容が思っていたものと違いました 入社前に確認していた業務と実際の担当範囲に差があり、今後は職務内容を具体的に確認して選考に進んでいます
きつくて続きませんでした 体調面への影響があり、長く働ける環境を見直す必要があると判断しました。現在は勤務時間や業務負荷を確認しています
なんとなく合いませんでした 自分が力を発揮しやすい業務の進め方を整理し、次は〇〇のような環境を重視しています

転職裏情報

短期離職の説明は「反省」より「次の確認項目」が大事

面接官が見たいのは、短期離職そのものより、同じミスマッチを繰り返さないかです。

退職理由を話したあとに、次の職場で確認している条件をセットで伝えると、前向きな説明に変えやすくなります。

続けるか辞めるか迷うときのチェックリスト

すぐ退職を決めきれない場合は、次のチェックで状況を整理してください。多く当てはまるほど、退職や外部相談を早めに検討したほうがよい可能性があります。

  • 入社前に聞いた仕事内容と、実際の業務が大きく違う
  • 労働時間、休日、賃金、勤務地などが説明と違う
  • 体調不良、睡眠不調、強い不安が続いている
  • 相談しても改善の見込みがない
  • 教育や引き継ぎがなく、ミスだけを強く責められる
  • 退職を申し出たら脅しや強い引き止めがあった
  • 次に働きたい条件がある程度見えている

一方で、まだ数日から数週間で、仕事内容の全体像が見えていないだけの場合は、上司に「今後の担当業務」「教育スケジュール」「試用期間後の評価基準」を確認してから判断する方法もあります。

まとめ:試用期間で辞めたいときは、契約・条件・体調を分けて判断する

試用期間で辞めたいと感じたとき、最初にやるべきことは、自分を責めることではありません。雇用契約の期間、就業規則、労働条件通知書、求人票、体調の状態を確認し、退職理由を整理することです。

無期雇用か有期雇用か、労働条件が事前説明と違うか、体調に影響が出ているかで、退職の進め方は変わります。判断に迷う場合や、会社と話すのが難しい場合は、総合労働相談コーナーなどの公的相談先や専門家への相談も検討してください。

試用期間で辞めたいという気持ちは、次の職場選びを見直すサインでもあります。退職するか続けるかを決める前に、何が合わなかったのか、次に重視する条件は何かを整理しておきましょう。

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参照元

この記事で確認した公的情報