「リクルートの年収は高いのか」「平均年収はいくらなのか」と調べると、1,000万円超の数字や口コミ情報が多く出てきます。
結論からいうと、リクルートホールディングスの2025年3月期有価証券報告書では、提出会社の平均年間給与は11,453,407円です。ただし、この数字は株式会社リクルートホールディングス単体116名の平均であり、株式会社リクルートやリクルートグループ全体の平均年収とは異なります。
この記事では、公式IR、会社概要、新卒採用、キャリア採用、働き方情報をもとに、リクルートの年収を誤解なく見る方法を整理します。
- 有価証券報告書に出ている平均年間給与の正しい見方
- 株式会社リクルートとリクルートホールディングスの違い
- 新卒採用で確認できる月給・年収例・グレード手当
- 中途求人で年収を確認するときのチェックポイント
参照元
平均年収は有価証券報告書の提出会社情報を確認
この記事では、リクルートホールディングスの2025年3月期有価証券報告書、会社概要、株式会社リクルートの採用情報、厚生労働省の労働条件情報を参照しています。
口コミサイトの推定値ではなく、公式に確認できる数値を起点にしています。
リクルートの平均年収は1,145万3,407円。ただし見方に注意
リクルートホールディングスの2025年3月期有価証券報告書では、提出会社の従業員数は116名、平均年齢は40.5歳、平均勤続年数は8.5年、平均年間給与は11,453,407円と記載されています。
この数字だけを見ると、リクルートはかなり高年収に見えます。ただし、ここでいう「提出会社」は持株会社である株式会社リクルートホールディングスです。
応募者が多く検討する株式会社リクルート、Indeed関連会社、人材派遣事業会社などの給与水準をそのまま表す数字ではありません。
| 項目 | 2025年3月期の公式情報 | 注意点 |
|---|---|---|
| 平均年間給与 | 11,453,407円 | リクルートホールディングス単体の提出会社平均 |
| 従業員数 | 116名 | グループ全体ではなく持株会社単体 |
| 平均年齢 | 40.5歳 | 新卒・若手中心の職場平均ではない |
| 平均勤続年数 | 8.5年 | 提出会社の在籍者を対象とした指標 |
| 連結従業員数 | 49,480名 | 連結グループ全体の人数。平均給与とは対象が違う |
転職裏情報
「平均年収1,145万円」はリクルート全社員の平均ではない
リクルートの年収検索で最も誤解しやすいのが、有価証券報告書の平均年間給与を「株式会社リクルート全社員の平均」と受け取ってしまうことです。
有価証券報告書の提出会社平均は、上場持株会社の情報です。実際の応募判断では、応募する会社名、雇用主、職種、グレード、勤務地を分けて確認しましょう。
リクルートホールディングスと株式会社リクルートの違い
リクルートグループには、株式会社リクルートホールディングス、株式会社リクルート、Indeed関連会社、人材派遣事業会社など複数の会社があります。
リクルートホールディングスの会社概要では、2025年3月31日時点の従業員数は116名、グループ従業員数は49,480名、連結子会社223社・関連会社8社とされています。
一方、株式会社リクルートの会社概要では、2026年4月1日時点の従業員数は12,709人、マーケティング・マッチング・テクノロジー事業の売上収益は8,160億円とされています。
| 会社・区分 | 主な役割 | 年収を見るときの注意点 |
|---|---|---|
| リクルートホールディングス | 持株会社。グループ経営、投資家向け情報、全社管理機能など | 有価証券報告書の平均年間給与はこの提出会社の平均 |
| 株式会社リクルート | 日本国内の販促領域、HR領域、SaaSなどの事業を展開 | 多くの新卒・中途求人で応募先として見る会社 |
| Indeed関連会社 | HRテクノロジー、人材メディア、人材紹介など | 採用法人・職種・雇用条件が株式会社リクルートと異なる場合がある |
| 人材派遣事業会社 | リクルートスタッフィング、スタッフサービスなど | 営業、派遣スタッフ支援、管理部門などで報酬体系が異なる |
転職Tips
求人票では「リクルート」だけでなく雇用主を見る
リクルートグループの求人は、株式会社リクルート、Indeed関連会社、リクルートスタッフィングなど会社名が分かれます。
求人票の冒頭で募集企業名を確認し、平均年収の出典と同じ会社かどうかを必ず見てください。
新卒採用で確認できる年収例は495万円
株式会社リクルートホールディングスの新卒採用ページでは、2027年度新卒採用として、ビジネスグロース、プロダクトグロース、エンジニア、データスペシャリスト、デザインなどのコースが掲載されています。
ビジネスグロースコースでは、2026年度見込みとして月給333,334円、年収例495万円が示されています。月給の内訳は、基準給258,065円とグレード手当75,269円です。
エンジニアコースやデータスペシャリストコースでは、月給333,334円から、年収例495万円からと掲載されています。
| 新卒採用で確認できる項目 | 公式掲載内容 | 見方 |
|---|---|---|
| 月給 | 333,334円 | 一部コースでは「〜」付きで記載 |
| 基準給 | 258,065円 | 月給の基本部分 |
| グレード手当 | 75,269円 | 月35時間相当分の超過勤務手当として記載 |
| 年収例 | 495万円 | 賞与を前提にした例。賞与は業績で変動 |
| 賞与 | 年2回 | 初年度支給は入社半年後の1回のみと記載 |
この年収例は新卒採用の条件であり、中途採用の提示年収ではありません。とはいえ、リクルートが給与を「基準給」「グレード手当」「賞与」に分けて示している点は、中途求人を見るときにも参考になります。
参照元
グレード手当と固定残業代の確認
新卒採用ページでは、グレード手当が月35時間相当分の超過勤務手当であること、35時間を超える時間外労働分は追加で支給されることが記載されています。
厚生労働省も、固定残業代を採用する場合には、固定残業代を除いた基本給、対象時間数と金額、超過分の割増賃金支払いを明示する必要があると説明しています。
中途採用でリクルートの年収を見るポイント
株式会社リクルートのキャリア採用ページでは、プロダクト企画職、テクノロジー職、ビジネス企画職、顧客接点職、コーポレート職など、幅広い職種カテゴリが掲載されています。
中途採用では、職種、ミッション、グレード、経験、評価によって提示年収が変わります。有価証券報告書の平均年間給与や新卒の年収例を、そのまま自分のオファー年収と考えないことが重要です。
| 職種カテゴリ | 代表的な仕事内容 | 年収確認のポイント |
|---|---|---|
| プロダクト企画職 | PdM、マーケティング、UI/UX、編集ディレクションなど | 担当プロダクト、事業責任範囲、KPI責任 |
| テクノロジー職 | エンジニア、データ、社内ICT、開発ディレクションなど | 技術スタック、開発規模、専門性、マネジメント有無 |
| ビジネス企画職 | 事業企画、営業企画、業務企画、CSなど | 事業フェーズ、企画責任、数値責任 |
| 顧客接点職 | 営業、コンサルタント、住宅アドバイザー、渉外など | 担当領域、営業目標、インセンティブや評価軸 |
| コーポレート職 | 経営企画、ファイナンス、リスク、人事、広報など | 専門性、管理範囲、グループ横断業務の有無 |
テンプレート
中途求人で年収を見る質問例
提示年収の内訳を、基準給・グレード手当・賞与・その他手当に分けて教えてください。
グレード手当は何時間分の時間外労働を前提にしていますか?
超過勤務分、深夜勤務、休日勤務の追加支給条件を確認したいです。
入社時のミッショングレードと、次の昇給・昇格タイミングを教えてください。
賞与は個人評価、組織業績、会社業績のどの要素で変動しますか?
リクルートで年収が上がりやすい人の特徴
リクルートは、個人の主体性や挑戦機会を重視する会社として知られています。公式の働く環境ページでも、Will-Can-Mustシート、キャリア申告制度、キャリアウェブ制度、ミッショングレード制などが紹介されています。
年収アップを狙うなら、単に「大手だから高年収」と見るのではなく、自分がどのミッションで価値を出せるかを考える必要があります。
年収アップにつながりやすい経験
- 事業成長に直結するマーケティング、営業企画、事業企画の経験
- 大規模プロダクトのPdM、データ分析、開発、UI/UX改善の経験
- 法人営業、顧客課題の深掘り、業務改善提案の経験
- ファイナンス、人事、法務、リスク管理などの専門性
- 新規事業、SaaS、HR領域、販促領域での成果
ミスマッチになりやすい見方
- 平均年収1,145万円を自分の入社時年収と考えてしまう
- 職種やグレードを確認せず、会社名だけで判断する
- グレード手当や固定残業代の内訳を見ない
- 賞与の変動要因を確認しない
- 自律的な働き方や成果責任への向き不向きを考えない
転職Tips
「給与が高い会社」より「評価される経験が合う会社」で見る
リクルートは職種の幅が広いため、同じ会社でも評価される経験が違います。
営業で成果を出したい人、プロダクトを伸ばしたい人、データで事業課題を解きたい人、管理部門で専門性を発揮したい人では、見るべき求人が変わります。
年収だけでなく、自分の経験がどのミッションに接続するかを先に整理しましょう。
働き方・福利厚生も年収とセットで見る
リクルートの働き方情報では、年間平均週休約3日、フレックスタイム制、場所にとらわれない働き方、独自の休暇制度・サポートなどが紹介されています。
新卒採用ページでも、休日140日、初年度有給休暇15日、アニバーサリー休暇制度、ステップ休暇などが掲載されています。
年収の額面が高くても、働き方が自分に合わなければ長く活躍しにくくなります。逆に、働き方の自由度や成長機会を重視する人にとっては、給与以外の価値も大きくなります。
| 確認項目 | 公式情報で確認できる例 | 応募前の見方 |
|---|---|---|
| 休日 | 年間平均週休約3日、休日140日など | 部署・職種ごとの実態も面談で確認 |
| 勤務時間 | フレックスタイム制、標準労働時間8時間 | 繁忙期やミッションによる違いを見る |
| 働く場所 | 自宅、オフィス、外部サテライトオフィスなど | 職種ごとの出社頻度や顧客対応を確認 |
| 休暇制度 | STEP休暇、アニバーサリー手当など | 利用条件と実際の取得しやすさを確認 |
| 成長支援 | Will-Can-Must、キャリア申告、キャリアウェブなど | キャリア希望をどう伝えられるかを見る |
転職裏情報
自由度が高い会社ほど「自己管理力」も見られる
フレックスタイム制やリモートワークは魅力ですが、成果の出し方を自分で設計する力も求められます。
面接では、働き方の自由度だけでなく、成果目標、評価基準、チームとの連携方法まで確認すると入社後のギャップを減らせます。
リクルートと比較したい企業タイプ
リクルートへの転職を考える人は、人材業界、HR Tech、広告・メディア、SaaS、事業会社の企画職などと比較することが多いです。
比較するときは、年収額だけでなく、どの事業で、どの顧客に、どの職種で価値を出すのかをそろえて見ましょう。
| 比較先 | 見るべきポイント | リクルートと比較するときの注意点 |
|---|---|---|
| 人材紹介・求人メディア企業 | 営業・CA・RA・企画職の評価制度 | 成果報酬やインセンティブの有無を見る |
| HR Tech企業 | SaaS、データ、プロダクト開発の経験 | エンジニア・PdM・営業で給与レンジが違う |
| 広告・メディア企業 | 広告運用、マーケティング、編集、企画 | 担当メディア規模とKPI責任を比較する |
| SaaS企業 | CS、事業開発、プロダクト、営業企画 | 固定給とストックオプションの設計も見る |
| 大手事業会社の企画職 | 事業推進、経営企画、DX、マーケティング | 裁量、意思決定スピード、評価制度を比較する |
テンプレート
比較表に入れる項目
会社名・雇用主:株式会社リクルート、グループ会社、比較企業を分ける
職種:営業、PdM、エンジニア、企画、コーポレートなど
提示年収:基本給、固定残業代、賞与、手当を分ける
評価制度:グレード、昇給頻度、賞与変動、成果指標
働き方:休日、リモート、フレックス、繁忙期、勤務地
応募前・オファー前に確認したいチェックリスト
リクルートの年収を正しく判断するには、求人票、面接、オファー面談のそれぞれで確認する項目を分けると整理しやすくなります。
求人票を見る段階
- 募集企業名と雇用主を確認したか
- 職種カテゴリと具体的なミッションを確認したか
- 想定年収の内訳を読んだか
- 固定残業代やグレード手当の有無を確認したか
- 勤務地、リモート、フレックス、休日を確認したか
面接で確認する段階
- 入社時に期待されるミッションを聞いたか
- 同じ職種で活躍している人の共通点を質問したか
- 評価される成果指標を確認したか
- 繁忙期の働き方やチーム体制を確認したか
- 自分の経験がどのグレードで評価されそうか確認したか
オファー面談で確認する段階
- 基準給、グレード手当、賞与、諸手当を分けて確認したか
- 固定残業代に含まれる時間数と超過分の扱いを確認したか
- 賞与の変動要因を確認したか
- 次回査定と昇給・昇格タイミングを確認したか
- 労働条件通知書など、書面で条件を確認したか
参照元
労働条件は最終的に書面で確認
厚生労働省は、労働条件について、賃金、労働時間、休日、就業場所、業務内容などを確認する重要性を案内しています。
オファー年収が魅力的でも、賃金の内訳と働き方の条件をセットで確認しましょう。
まとめ:リクルートの年収は「どのリクルートか」を分けて見る
リクルートホールディングスの2025年3月期有価証券報告書では、提出会社の平均年間給与は11,453,407円です。
ただし、この数字は持株会社単体116名の平均であり、株式会社リクルートやリクルートグループ全体の平均年収ではありません。
新卒採用では年収例495万円が示され、月給は基準給とグレード手当に分けて記載されています。中途採用では職種・ミッション・グレード・経験によって提示条件が変わるため、平均年収だけで判断せず、応募する会社・職種・給与内訳・働き方を分けて確認することが大切です。
リクルートは職種の選択肢が広い企業です。年収アップだけでなく、自分の経験がどのミッションで評価されるか、どの働き方なら長く成果を出せるかまで見て応募先を選びましょう。