「NTTドコモの年収は高いのか」「中途採用ならどれくらい提示されるのか」と気になって調べている人は多いはずです。特にドコモはNTTグループの中核企業であり、通信、金融、決済、マーケティング、法人DX、R&Dなど職種の幅が広いため、平均年収だけで判断しにくい企業です。
結論からいうと、NTTドコモ単体の平均年収は、現在の公式公開資料だけでは上場企業の有価証券報告書のように一つの平均年間給与として確認しにくい点に注意が必要です。一方で、NTTドコモ公式の会社概要、採用募集要項、キャリア採用ページ、親会社NTTの有価証券報告書から、給与水準を考えるための材料は確認できます。
この記事では、公式情報と公的情報をもとに、NTTドコモの年収を見るときに確認すべきポイントを整理します。
- NTTドコモ単体の平均年収をどう扱うべきか
- NTT有価証券報告書の平均年間給与との違い
- NTTドコモ公式募集要項にある初任給・賞与・手当
- 中途採用で年収を確認するときの質問項目
- 平均年収だけで転職判断しないための見方
参照元
この記事は、NTTドコモ公式会社案内、NTTドコモ採用情報、NTT第40期有価証券報告書、NTTグループの人事給与制度に関する公式発表、国税庁・厚生労働省の公的情報を確認して作成しています。
NTTドコモの平均年収は公式資料だけで断定しにくい
NTTドコモの年収を調べると、口コミサイトや転職メディアの平均年収が多く出てきます。ただし、公式情報として見る場合は、まず「NTTドコモ単体の平均年収」と「NTTグループや親会社NTTの平均年間給与」を分けて考える必要があります。
NTTドコモは2020年にNTTによる完全子会社化が行われ、上場会社としての有価証券報告書を継続的に確認する前提ではありません。そのため、任天堂やNTTデータグループのように、直近の有価証券報告書から提出会社の平均年間給与をそのまま引用する記事とは扱いが異なります。
| 確認できる情報 | 公式情報の内容 | 年収を見るときの注意点 |
|---|---|---|
| NTTドコモ会社概要 | 従業員数9,433名、ドコモグループ51,698名 | 人数規模は分かるが、平均年収は示されていない |
| NTTドコモ新卒募集要項 | 初任給、賞与、手当、勤務地、勤務時間、休暇、福利厚生 | 新卒向け条件であり、中途採用の提示年収とは異なる |
| NTT有価証券報告書 | 日本電信電話株式会社の提出会社平均年間給与10,690,766円 | 親会社NTTの提出会社数値であり、NTTドコモ単体の平均ではない |
| キャリア採用ページ | 募集職種、選考プロセス、応募領域 | 職種別の想定年収は求人ごとに確認が必要 |
つまり、NTTドコモの年収を知りたい場合は、口コミ平均を鵜呑みにするのではなく、公式に確認できる給与制度・初任給・職種情報と、応募先求人の個別条件を組み合わせて判断することが重要です。
転職Tips
企業名だけで平均年収を比較すると、持株会社、事業会社、グループ会社、子会社、職種別の違いが混ざりやすくなります。
NTTドコモを見るときは、「NTTドコモ本体なのか」「NTTドコモビジネスなどグループ会社なのか」「コンシューマ領域か法人領域か」「エンジニアかビジネス職か」を分けて確認しましょう。
公式情報で確認できるNTTドコモの給与関連データ
NTTドコモ公式会社案内では、社名、所在地、営業開始日、資本金、従業員数、主な事業内容が公開されています。2025年3月31日時点の従業員数は、NTTドコモ単体で9,433名、当社グループで51,698名です。
また、NTTドコモ採用の募集要項では、2026年4月1日時点の新卒初任給として、住宅補助を含む金額が学歴別に示されています。これは新卒採用向けの情報ですが、同社の給与水準や制度の見方を理解する材料になります。
| 区分 | 初任給 | 補足 |
|---|---|---|
| 高卒 | 318,000円 | 住宅補助を含む |
| 短大・専門・高専卒 | 324,000円 | 住宅補助を含む |
| 大学了 | 342,000円 | 住宅補助を含む |
| 修士了 | 354,000円 | 住宅補助を含む |
| 博士了 | 415,660円 | グレード4採用の場合 |
募集要項には、賞与は年2回、諸手当はリモートワーク手当、通勤手当、扶養手当など、昇給は年1回と記載されています。勤務時間は標準勤務で9:30〜18:00、部署によりフレックスタイム制や交替勤務制があるとされています。
一方で、これらは新卒向けの基準であり、中途採用の年収は職種、経験、スキル、役割、勤務地、グレード、評価によって個別に決まると考えるべきです。
転職裏情報
大手通信・IT企業では、平均年収よりも「どの職種・どのグレードで入るか」の影響が大きくなります。
同じNTTドコモでも、代理店営業、営業企画、サービス企画、デジタルマーケター、データサイエンティスト、インフラエンジニア、セキュリティエンジニア、財務などでは、求められる経験と評価される専門性が異なります。
親会社NTTの平均年間給与は1,069万円だが、ドコモ単体の平均ではない
NTTグループの開示情報として参考になるのが、日本電信電話株式会社の第40期有価証券報告書です。同報告書では、提出会社の従業員数2,554人、平均年齢41.8歳、平均勤続年数16.1年、平均年間給与10,690,766円が記載されています。
| 項目 | NTT有価証券報告書の数値 | 読み方 |
|---|---|---|
| 対象会社 | 日本電信電話株式会社 | 親会社NTTの提出会社数値 |
| 従業員数 | 2,554人 | 提出会社ベース |
| 平均年齢 | 41.8歳 | 提出会社の平均 |
| 平均勤続年数 | 16.1年 | 提出会社の平均 |
| 平均年間給与 | 10,690,766円 | 基準内・基準外給与、賞与を含む |
この数字はNTTグループの給与水準を考えるうえで参考になりますが、NTTドコモ株式会社の社員全体の平均年収を示すものではありません。NTTドコモ本体、NTTドコモビジネス、NTTドコモソリューションズ、NTTドコモ・グローバルなど、グループ内でも会社と職務範囲が異なるためです。
また、国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円とされています。NTTの提出会社平均年間給与はこの全国平均より高い水準ですが、比較するときは対象会社、年齢構成、職種構成、賞与、専門職比率をそろえて見る必要があります。
NTTドコモの中途採用で年収に影響しやすいポイント
NTTドコモのキャリア採用ページでは、募集職種として、代理店営業、営業企画、デジタルマーケター、サービス企画、事業戦略、UI/UXデザイナー、プロジェクトマネージャー、アプリケーションエンジニア、ITアーキテクト、Webエンジニア、データサイエンティスト、インフラエンジニア、セキュリティエンジニア、法務・知財、財務などが掲載されています。
年収を左右しやすいのは、企業名そのものよりも、次のような条件です。
- 応募職種がコンシューマ領域か法人領域か
- 営業、企画、マーケティング、開発、インフラ、セキュリティ、データ、法務、財務のどれか
- マネジメント経験やプロジェクト責任の範囲
- クラウド、ネットワーク、AI、データ分析、セキュリティなどの専門性
- 入社時グレードと評価制度
- 賞与、時間外勤務、リモートワーク手当、住宅補助、扶養手当の扱い
- NTTドコモ本体採用か、ドコモグループ会社採用か
NTTグループは、2023年4月から専門性を軸とした人事給与制度を導入すると公表しています。年次や年齢だけではなく、専門性の獲得・発揮度に応じて昇格・昇給していく仕組みが示されているため、転職時には「自分の専門性がどのグレードで評価されるか」を確認することが年収確認の中心になります。
テンプレート
面接・オファー面談で年収を確認するときは、次のように聞くと確認漏れを減らせます。
「今回のポジションでは、入社時グレードと年収レンジはどのように決まりますか。」
「提示年収には、賞与、時間外勤務手当、住宅補助、リモートワーク手当、扶養手当は含まれていますか。」
「初年度と2年目以降で、賞与や評価反映のタイミングに違いはありますか。」
「NTTドコモ本体とグループ会社で、給与制度や福利厚生に違いはありますか。」
NTTドコモの年収を他社と比較するときの見方
NTTドコモの年収を他社と比べる場合、通信業界、IT業界、総合商社、メーカー、SIerなどを横並びにして単純比較すると判断を誤りやすくなります。事業構造と職種構成が違うためです。
| 比較軸 | 見るべきポイント | 確認方法 |
|---|---|---|
| 会社の対象範囲 | 本体、持株会社、子会社、グループ会社の違い | 会社概要、求人票、雇用主名 |
| 職種 | 営業、企画、エンジニア、データ、セキュリティ、法務、財務 | 募集職種ページ、職務内容 |
| 給与の内訳 | 基本給、賞与、残業代、手当、住宅補助 | 求人票、オファー面談、労働条件通知書 |
| 働き方 | フレックス、交替勤務、リモートワーク、勤務地 | 募集要項、配属予定部署への確認 |
| 昇給可能性 | グレード、専門性評価、評価サイクル | 人事制度、面接、オファー面談 |
特に中途採用では、求人票に年収レンジが出ていても、最終提示額は経験や評価で変わります。厚生労働省も、労働契約の締結時には賃金、労働時間、就業場所、業務内容などの労働条件を明示する必要があると案内しています。内定後は、口頭説明だけでなく、労働条件通知書やオファーレターで条件を確認することが大切です。
NTTドコモへの転職を検討する人が確認すべきこと
NTTドコモは、通信インフラ、スマートライフ、金融・決済、法人向けDX、R&Dなど、事業領域が広い企業です。年収だけでなく、自分の経験がどの領域で活かせるか、どの専門性が評価されるかを確認しましょう。
応募前には、次の項目を整理しておくと、面接やオファー面談で年収の話を具体化しやすくなります。
- 自分の経験が、コンシューマ、法人、R&D、共通職種のどれに近いか
- 営業・企画・開発・データ・セキュリティなど、評価される専門性は何か
- 希望年収の根拠を、現年収、職務範囲、成果、専門性で説明できるか
- 勤務地、リモートワーク、転勤、交替勤務の許容範囲
- 賞与、手当、住宅補助、退職金・企業年金などを含めた総報酬
転職Tips
NTTドコモのような大手企業では、「会社に入りたい」だけでなく、「どの事業で、どの専門性を使い、どの成果を出せるか」を言語化できる人ほど、年収交渉の材料を作りやすくなります。
求人選びでは、企業名よりも職務内容、期待役割、評価されるスキル、配属可能性を確認しましょう。
まとめ:NTTドコモの年収は平均額の断定より条件確認が重要
NTTドコモの年収を調べるときは、平均年収の数字だけで判断しないことが重要です。NTTドコモ単体の平均年収は、現在の公式公開資料だけでは上場企業の提出会社平均年間給与として確認しにくく、親会社NTTの平均年間給与10,690,766円をそのままNTTドコモの平均年収と読むことはできません。
一方で、NTTドコモ公式の会社概要、採用募集要項、キャリア採用ページから、会社規模、初任給、賞与、手当、福利厚生、募集職種は確認できます。転職を検討するなら、応募先の雇用主、職種、グレード、提示年収の内訳、賞与・手当・働き方をセットで確認することが大切です。
平均年収は目安にすぎません。自分の経験がどの職種で評価されるか、どの条件なら納得して働けるかを整理したうえで、求人票とオファー条件を丁寧に確認しましょう。