「富士通の年収は高いのか」「転職するとどれくらいの提示年収が期待できるのか」と調べている人は、平均年収だけでなく、自分の職種や職責でどう評価されるのかまで知りたいはずです。
結論からいうと、富士通の平均年間給与は2025年3月期有価証券報告書で9,291,084円です。約929万円という高い水準ですが、これは提出会社全体の平均であり、中途採用の提示年収やグループ会社の給与をそのまま示すものではありません。
富士通はジョブ型人材マネジメントを推進しており、採用や処遇でも職種・職責・FUJITSU Levelの考え方が重要です。新卒採用でも、2027年募集要項では月額給与315,000円または294,000円を職責に応じて設定し、高度なスキルや専門性を持つ人材にはさらに高い金額を個別設定するとしています。
この記事では、公式情報・公的情報をもとに、富士通の平均年収、新卒給与、ジョブ型処遇、転職時に確認すべき給与条件を整理します。
- 富士通の平均年間給与9,291,084円の見方
- 平均年収と中途採用の提示年収を分けて考える方法
- 新卒給与、賞与、休日、ハイブリッドワークの確認ポイント
- ジョブ型処遇とFUJITSU Levelの見方
- 面接・オファー面談で使える給与確認テンプレート
富士通の平均年収は約929万円
富士通の第125期有価証券報告書では、2025年3月31日時点の提出会社の平均年間給与は9,291,084円です。万円換算では約929万円です。
富士通の平均年収は高い水準ですが、平均年齢43.1歳・平均勤続18.2年の社員構成を含んだ数字として見る必要があります。
| 項目 | 富士通の有価証券報告書の数値 | 転職時の見方 |
|---|---|---|
| 平均年間給与 | 9,291,084円 | 提出会社全体の平均。個別の提示年収とは分けて見る |
| 平均年齢 | 43.1歳 | 若手・中途入社直後の年収をそのまま表すものではない |
| 平均勤続年数 | 18.2年 | 長期勤続者や高職責者を含む平均として見る |
| 提出会社の従業員数 | 34,850人 | 富士通株式会社の就業人員。グループ会社とは分けて確認する |
| 連結従業員数 | 112,743人 | グループ全体の規模。平均年収とは集計範囲が異なる |
転職Tips
平均年収は「提出会社」と「グループ会社」を分ける
富士通の平均年間給与は、富士通株式会社の提出会社ベースの数字です。
富士通Japan、エフサステクノロジーズ、1FINITYなどグループ会社や採用出向先を検討する場合は、募集者名、雇用元、配属先、給与制度を別々に確認しましょう。
富士通の平均年収は民間平均より高い
国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円です。単純比較では、富士通の平均年間給与約929万円は民間平均を大きく上回ります。
ただし、平均給与の比較だけで転職判断をするのは危険です。富士通の平均には、職責の高い社員、長期勤続者、賞与、時間外勤務手当等が含まれます。
| 比較対象 | 平均給与 | 注意点 |
|---|---|---|
| 富士通 提出会社 | 9,291,084円 | 平均年齢43.1歳、平均勤続18.2年、賞与・時間外勤務手当等を含む |
| 民間給与実態統計調査 | 478万円 | 1年を通じて勤務した給与所得者全体の平均 |
転職裏情報
富士通の年収は「職種」より「職責」で差が出やすい
ジョブ型処遇では、同じエンジニアや営業でも、担当範囲、顧客影響度、専門性、リードする組織や案件の大きさで年収が変わりやすくなります。
職務経歴書では、単に「SE」「営業」と書くのではなく、担当した顧客規模、売上、プロジェクト規模、チーム人数、技術領域、意思決定範囲を具体化しましょう。
富士通の年収が高い理由を分解する
富士通の年収水準を見るときは、IT企業という一般論ではなく、会社の事業規模、職種構成、ジョブ型処遇、グローバルな人材獲得方針を分けて考える必要があります。
富士通の年収は、国内大手IT企業としての規模だけでなく、DX、クラウド、AI、コンサルティング、社会インフラ領域の職責を含む報酬として見るのが自然です。
- 事業規模だけでなく、応募先の部門と職責を分けて確認する
- 平均年収と自分の提示年収を同じものとして扱わない
- FUJITSU Levelや職務内容が、現職の経験とどこまで重なるかを見る
- 給与だけでなく、働き方、休日、評価対象、異動可能性も合わせて確認する
| 要素 | 公式情報で確認できる内容 | 年収への見方 |
|---|---|---|
| 事業規模 | 2024年度連結概要で売上収益3兆5,501億円、従業員113,000人 | 大規模案件や社会インフラ領域を担う会社として見る |
| 事業領域 | サービスソリューション、ハードウェアソリューション、ユビキタスソリューション | 職種や配属により評価される経験が変わる |
| ジョブ型処遇 | 職種と職責の高さに応じてFUJITSU Levelを設定 | 職責・専門性・成果の説明が重要になる |
| 採用強化領域 | コンサルティング、ビジネスアプリケーション、AI、コンピューティングなど | 該当領域の経験者は職責次第で評価されやすい |
新卒給与は月額31.5万円または29.4万円が基準
富士通の2027年新卒募集要項では、給与は担う職責に応じて決定するとされています。2026年4月時点予定として、入社後早期から自律的な業務遂行が求められる職務を担う方は月額給与315,000円、習熟度を上げるための育成が一定期間必要で上司の指示に基づき職務を遂行する方は月額給与294,000円とされています。
また、高度なスキルや専門性を持ち、より高い職責を担う方については、さらに高い金額を個別に設定するとされています。
富士通の新卒給与は、学歴だけで一律に決める初任給ではなく、担う職責に応じて決まる点が重要です。
| 区分 | 月額給与 | 見方 |
|---|---|---|
| 自律的な業務遂行が求められる職務 | 315,000円 | 早期から一定の職責を担う前提 |
| 育成期間を前提とする職務 | 294,000円 | 上司の指示に基づき習熟度を上げる前提 |
| 高度なスキル・専門性を持つ人材 | 個別設定 | 選考過程で職責に応じて決定 |
参照ポイント
新卒採用もジョブ型の考え方へ移行している
富士通は、2024年6月21日の公式発表で、2026年度新卒採用よりジョブ型人材マネジメントの考え方を拡大すると公表しています。給与を見るときは、学歴よりも担うジョブと職責を確認しましょう。
ジョブ型人材マネジメントと年収の関係
富士通のFinancial Well-beingでは、ジョブ型人材マネジメントに基づく人事制度について、職務内容や人材要件の明確化のため、職種と職責の高さにより職務を区分し、職責の高さに応じてFUJITSU Levelを設定すると説明されています。
また、2025年3月7日の公式発表では、2023年に全社員を対象として年収を平均約7%、最大24%引き上げたこと、ジョブレベルに応じた報酬水準への底上げを行ったことが説明されています。
富士通への転職では、前職年収だけでなく、自分がどのジョブ・職責で評価されるかを確認することが年収交渉の軸になります。
| 確認する軸 | 意味 | 転職時に準備すること |
|---|---|---|
| 職種 | ソリューションエンジニア、セールス、コンサルタント、研究開発など | 応募職種と前職経験の共通点を整理する |
| 職責 | 担当範囲、意思決定範囲、顧客影響度、チーム規模 | プロジェクト規模や成果を数字で示す |
| 専門性 | AI、クラウド、セキュリティ、データ、業務アプリ、研究領域など | 技術スタック、資格、実績、改善内容を具体化する |
| FUJITSU Level | 職責の高さに応じたレベル | 求人票や面接で想定レベルと評価基準を確認する |
転職裏情報
年収交渉は「希望額」より「担う職責」の確認から始める
ジョブ型処遇では、希望年収だけを伝えても説得力が弱くなります。
先に、担当する職務、期待成果、権限、チーム規模、顧客規模、評価基準を確認し、その職責に対する報酬として提示額を見ましょう。
中途転職で富士通の年収を見るときの注意点
中途転職では、有価証券報告書の平均年収と、求人票やオファー面談で提示される年収は別物です。特に富士通のようにジョブ型処遇を進める企業では、職務内容と職責の一致が重要になります。
中途採用では、前職年収、経験年数、専門性、担当領域、職責、勤務地、評価制度、賞与、時間外勤務手当で提示年収が変わります。
| 確認項目 | なぜ重要か | 質問例 |
|---|---|---|
| 想定職種と職責 | ジョブ型処遇では職責が報酬の中心になるため | このポジションの期待役割と職責範囲を教えてください |
| 想定FUJITSU Level | レベルにより報酬や評価期待が変わるため | 入社時に想定されるレベルと昇格条件を確認できますか |
| 賞与・変動給 | 年収総額と月給のバランスが変わるため | 提示年収のうち月給、賞与、手当の内訳を教えてください |
| 時間外勤務手当 | 平均年収には時間外勤務手当等も含まれるため | 残業代の扱い、固定残業代の有無、平均残業時間を教えてください |
| 勤務地・働き方 | 国内外の事業所、ハイブリッドワーク、出張で生活が変わるため | 勤務地の変更範囲、出社頻度、出張頻度を教えてください |
富士通で年収アップにつながりやすい経験
富士通は、公式発表でコンサルティング、ビジネスアプリケーション、AI、コンピューティングなどを中心に人材獲得を強化すると説明しています。年収アップを狙うなら、職種名だけでなく、富士通の重点領域に自分の経験がどうつながるかを整理しましょう。
富士通で評価されやすいのは、技術や営業の経験そのものではなく、顧客課題を解決し、事業成果につなげた経験です。
| 経験領域 | 評価されやすい実績 | 職務経歴書で書くポイント |
|---|---|---|
| クラウド・インフラ | 設計、移行、運用改善、セキュリティ、可用性向上 | 対象システム規模、技術スタック、障害削減、コスト改善 |
| AI・データ | 分析基盤、機械学習、生成AI活用、業務改善 | 課題、データ量、モデルや分析手法、業務成果 |
| コンサルティング | 構想策定、業務改革、DX推進、経営層提案 | 顧客業界、提案範囲、意思決定者、成果指標 |
| セールス | 大手顧客開拓、提案型営業、複数商材の提案 | 担当顧客、売上、粗利、提案規模、関係構築 |
| PM・PL | 大規模案件、複数チーム管理、品質・納期・コスト管理 | メンバー数、予算、期間、リスク管理、改善実績 |
転職Tips
職務経歴書では「技術名」だけで終わらせない
富士通のような大手IT企業では、技術スタックだけでなく、顧客課題、プロジェクト規模、関係者調整、成果まで見られます。
「AWS経験あり」ではなく、「〇〇業界向け基幹システムをAWSへ移行し、運用工数を〇〇%削減」のように、職責と成果が伝わる形にしましょう。
福利厚生・働き方も年収とセットで見る
富士通の2027年新卒募集要項では、標準労働時間は8時45分から17時30分、コアタイムなしのフレックス勤務制度あり、年間休日126日、完全週休2日制、年次有給休暇初年度20日付与などが記載されています。また、業務の目的に応じてリアルとバーチャルを組み合わせたハイブリッドワークを推進していると説明されています。
年収が高く見えても、勤務地、出社頻度、出張、担当顧客、残業、評価制度まで含めて判断することが重要です。
| 確認項目 | 公式情報の例 | 転職時に見るポイント |
|---|---|---|
| 勤務時間 | 8時45分〜17時30分、標準労働時間7時間45分 | 実際の残業、顧客対応、繁忙期を確認する |
| フレックス | コアタイムなしのフレックス勤務制度あり | 配属先での利用実態を確認する |
| 休日 | 年間休日126日、完全週休2日制 | 顧客都合や障害対応の有無を確認する |
| ハイブリッドワーク | リアルとバーチャルを組み合わせた働き方 | 出社頻度、出張頻度、客先常駐の有無を確認する |
| 福利厚生 | 福利厚生ポイント、持株会、財形貯蓄、資格取得支援など | 現金年収だけでなく生活コストへの影響を見る |
オファー面談で使える確認テンプレート
厚生労働省の「確かめよう労働条件」では、会社は募集時や採用時に労働条件を明示する必要があり、重要事項は書面で示す必要があると説明されています。富士通に限らず、内定後は口頭説明だけで判断せず、労働条件通知書で確認しましょう。
富士通への転職では、提示年収の総額だけでなく、職責、レベル、月給、賞与、手当、勤務条件を分解して確認することが大切です。
テンプレート
オファー面談で確認したい質問
提示年収の内訳:基本給、賞与、時間外勤務手当、その他手当の内訳を教えてください。
職責とレベル:入社時に想定される職責、FUJITSU Level、評価基準を教えてください。
評価制度:昇給・昇格・賞与評価のタイミングと評価項目を教えてください。
働き方:出社頻度、ハイブリッドワーク、出張、客先常駐の可能性を教えてください。
勤務地:入社直後の勤務地と、将来の変更範囲を教えてください。
残業:平均的な残業時間、繁忙期、固定残業代の有無を教えてください。
富士通に向いている人・慎重に考えたい人
富士通は大手IT企業として、社会インフラ、金融、公共、製造、クラウド、AI、コンサルティングなど幅広い領域に関わります。職種や配属によって求められる働き方は変わります。
富士通に向いているかどうかは、知名度や平均年収だけでなく、ジョブ型の環境で自分の職責を広げたいかで判断しましょう。
| 向いている人 | 慎重に考えたい人 |
|---|---|
| 大規模顧客や社会インフラの課題解決に関わりたい人 | 小規模で裁量をすべて自分で持ちたい人 |
| 職責や専門性を高めて年収を上げたい人 | 年功序列的な昇給だけを期待している人 |
| 複数部署・顧客・パートナーと調整できる人 | 一人で完結する仕事だけを希望する人 |
| AI、クラウド、データ、コンサルなど成長領域に挑戦したい人 | 新しい技術や制度変化に強い抵抗がある人 |
| ハイブリッドワークや大規模組織の制度を活かせる人 | 配属先や顧客都合による働き方の違いを確認しない人 |
まとめ:富士通の平均年収は約929万円。提示年収は職責で確認する
富士通の平均年間給与は、2025年3月期有価証券報告書で9,291,084円です。平均年齢43.1歳、平均勤続18.2年、賞与・時間外勤務手当等を含む提出会社全体の平均として見る必要があります。
新卒採用では、担う職責に応じて月額給与315,000円または294,000円を基準にし、高度なスキルや専門性を持つ人材にはさらに高い金額を個別設定するとされています。中途転職でも、前職年収だけでなく、職種、職責、専門性、FUJITSU Level、勤務地、働き方、評価制度を確認することが重要です。
富士通への転職を考えるなら、平均年収に惹かれるだけでなく、自分がどのジョブで、どの職責を担い、どの条件で働くのかまで確認しましょう。