医療系国家資格の1つの柔道整復師のですが、その活躍の場は整骨院などの施設というイメージが強いですが実は他にもさまざまな場所で需要があります。この記事では具体的にどのような場で活躍しているのかや職場を選ぶさいのポイントなどをご紹介致します。
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柔道整復師は古来から「ほねつぎ」などとして知られている、整復術と呼ばれる施術を施して骨折、脱臼、捻挫、挫傷といった外傷の治療をおこないます。
医師以外の医療従事者で骨折、脱臼への応急処置を施すことができる唯一の資格となっています。また応急処置だけで無く2回目の以降の施術に関しても医師の同意の下で行うことができます。
柔道整復師は「整復法」「固定法」「後療法」の3種類の施術方法を活用して施術を行います。整復法は骨折や脱臼の原因となっている箇所を元の状態に戻すような施術を行います。その後負傷部分を固定してして自然治癒力を最大限に活用して怪我の治癒を促す治療法です。また後療法では怪我が完治するまでのリハビリテーションを行います。具体的には物理療法や運動療法を行って回復までのサポートを行います。
このように柔道整復師は患者に対して、初動の応急処置からリハビリテーションまでの治療全体を担当することができます。
柔道整復師は国家資格を取得していなければ名乗ることはできません。そのため毎年厚生労働省が行っている国家試験を受験して合格する必要があります。
柔道整復師の資格取得方法
柔道整復師の国家試験を受験するためには、文部科学大臣が指定している養成学校で3年以上の学習及び卒業見込みを得ている必要があります。この養成学校には専門学校や4年制大学、3年生短期大学が該当します。試験の該当範囲には以下の科目が含まれます。
- 解剖学
- 生理学
- 運動学
- 病理学
- 概論衛生学
- 公衆衛生学
- 一般臨床医学
- 外科学概論
- 整形外科学
- リハビリテーション医学
- 柔道整復理論
- 関係法規
これらの科目から必修問題50問、一般問題200問の合計250問が試験問題となります。試験は午前中と午後の2部に別れており、必修問題で80%以上、一般問題で60%以上の正解が１つの合格基準となっています。これまで合格率は80%程度を推移しておりましたが、近年では60%程度と低くなっています。類似の国家資格である鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師といった資格よりも難易度が高い傾向にあります。
柔道整復師の活躍の場
柔道整復師は整骨院などで活躍しているイメージが強いですが、実際には様々な施設に多くの柔道整復師が勤めています。ここでは柔道整復師が具体的に活躍している施設やその働き方をご紹介していきます。
接骨院・整体院
整骨院や整体院では多くの柔道整復師が活躍しています。接骨院や整体院では肩こりや腰痛といった身体の不調に対して「骨つぎ」や「整復術」を用いてそれらの身体の不調を改善していきます。また接骨院や整体院などでは、事故などによる外傷への治療もおこなうことができ柔道整復師による施術で保険の対象となる施術を担当することができる場合もあります。そのため接骨院や整体院では多くの柔道整復師が活躍しています。
病院・医療機関
病院などの医療機関では外傷患者に対して医師の指示のもと、整復術や固定術での治療を行います。またこれらの施設では回復に向かっている患者へのリハビリテーションも行われており、リハビリテーションでは柔道整復師の行う施術の内、後療法の知識や技術が重宝されます。このように病院などの医療機関では外傷患者に対する処置から完治のサポートまで、幅広い分野で柔道整復師が携わっています。
フィットネスジム
意外に思われるかもしれませんが、フィットネスジムなどのエクササイズ施設でも多くの柔道整復師がトレーナーやインストラクターとして活躍しています。その理由はまず柔道整復師は身体に関してしっかりとした知識を持ったスペシャリストとして、フィットネスジムの会員様へのエクササイズの指導も行うことができるためです。
またトレーニング中に発生する万が一のアクシデントによる外傷に対して、その場で応急処置に当たることのできる柔道整復師はとても重要な存在となっています。
介護・福祉施設
介護福祉関係の施設でも柔道整復師が沢山活躍しています。これらの施設では主にリハビリテーションなどに携わっている柔道整復師が多くこれからも更なる活躍が期待されています。またこれらの介護や福祉関連施設は近年の高齢化によってその数が増えてきており、そこで活躍している柔道整復師の需要も増加傾向にあります。
スポーツ関連
スポーツトレーナー等としてプロアスリートやアマチュアアスリートなどに帯同している柔道整復師もいます。不測の事態による怪我などが発生した場合の応急処置や競技終了後のストレッチなどのクールダウンなどの指導を行う場合が多いです。この他にもトレーニングの指導などの中で、故障しにくい身体を作るための指導を行っています。
柔道整復師の職場選びの方法
柔道整復師として活躍している人は様々な施設で活躍しています。それでは職場を選ぶ際にはどのような基準で選べばいいのか、職場選びのポイントをご紹介致します。
職種
柔道整復師は様々な場所で活躍していますが、接骨院や病院で柔道整復師として働いている場合以外はそれぞれの施設で他の職種として活躍しています。具体的にはスポーツトレーナーやジムインストラクター、パーソナルトレーナーなどの職種として活躍している場合もあります。
これらの職種では柔道整復師の持っている身体やメンテナンスの知識を活かして活躍しています。そのためこれら柔道整復師の類似職業に就く場合はどのような職種をトライしたいかというポイントで決める事も良いでしょう。
待遇
同じ職種の中でも職場や会社によって待遇が大きく異なります。給与面はもちろんその他の待遇ももちろん重要になります。例えば施設によって年間休日の数、福利厚生やボーナスの有無も変わってきます。そのため職場を探す際には同じ職種内でどの会社が自分の望む待遇が希望なのかも加味して職場を選ぶのも良いでしょう。
将来性
仕事を通してどのような将来のビジョンがあるかも職場を選ぶ際に重要なポイントの１つです。そのため例えば職場内で店長職に就くことができるのか。また社内でキャリアアップを目指すことができるのか。といったことやその後、独立などがサポートしてもらえるかといった将来性を考慮して選ぶのも１つの重要なポイントとなっています。
柔道整復師の職場の探し方
柔道整復師などがどのように理想の職場を探すの方法があるのでしょうか。いくつか職場を探す方法があるのでその探し方をここでご紹介致します。
専門学校や大学からの紹介
柔道整復師の資格を取得するための国家試験受験要件に養成学校の卒業が要件になっています。それらの養成学校では通常の就職と同様に就職紹介を行っていますので、学校からの紹介で就職先を探すのも１つの方法です。さまざまな職場や業種の仕事を紹介しているため、学生から最初の就職するために誰もに開かれています。
求人サイトから探す
柔道整復師などの医療系国家資格保有者など専門の求人サイトなどが複数あります。そのためこのような求人サイトを活用して仕事を探すの環境は近年は整備されてきています。そのためこのようなサイトで自身で職場を探すという方法も近年では普及しています。
転職エージェントで探す
近年では求人サイトと同様に医療系国家資格を保有している人の求人を専門にしているエージェントも増え始めています。エージェントと共同して自分の希望の条件に合う職場を探すことができるため、求人サイトで自分で探すよりもエージェントの知識を活用できる点でおすすめです。
柔道整復師の現状と将来性
柔道整復師の平均年収は約373万円となっています。月の給与に換算すると26万円程度から30万円程となっています。アルバイトやパートタイムで働く場合は、時給1,000〜1,500円程度が全国的な平均値となっています。全国的な平均年収と比較すると比較的低い水準となっているのが現状です。
柔道整復師はここまで見てきた通りさまざまな施設で働いており、職種も柔道整復師という枠だけでは無く様々な職種で活躍しています。
そのためこの平均年収が柔道整復師の資格を保有して活躍している人の平均年収と一概にいうことができないという点にも注意が必要です。
また柔道整復師は類似する国家資格の中でも数少ない開業権がある国家資格でもあります。そのため独立して接骨院などを開業して経営者となっていくことで年収1,000万円以上を獲得している柔道整復師も少なくありません。
柔道整復師の将来性は非常に明るく可能性のある職業だといえます。近年では健康志向の高まりや高齢化などに伴って柔道整復師が活躍している施設も数を増やしています。そのためそれらの施設での柔道整復師の需要はこれからさらに高まって行くことが予想されます。
まとめ
柔道整復師の国家資格の合格率は近年下降傾向にあり、受験要件にも指定の学校の卒業があるなど取得が簡単な資格ではありません。しかし柔道整復師は接骨院だけで無く、様々な場所で求められている非常に需要が高く、将来性も高い仕事です。そのためもしこれらの仕事に興味がある方はぜひ資格取得を目指してみてください。
また将来性以外にも患者の治療を最初から最後まで担当できるというやりがいのある仕事であるという点も魅力の1つです。
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