NSCA－CSCSとNSCA-CPTの違いを比較した結果が…

「そもそもNSCAという資格ってどんな資格？」
「NSCA－”CSCS”とNSCA-“CPT”の違いが分からない」
「NSCA－CSCSとNSCA-CPTどちらがオススメなのかを知りたい」

などの資格取得に向けて動いている方はもちろん、

「フィットネストレーナーとして働いてみたい」
「他のトレーナーと差別化を図るために資格の取得を検討している」
「資格取得は難しい？料金はいくら？」

など、これからトレーナーとして活躍したい方にも当てはまる記事となっています。パーソナルトレーナーになるには、国家資格などの取得義務はないため、資格がなくても、今すぐにでも始められる仕事です。

しかし一方で、参入障壁が低い職種になるため、多くのクライアントから信頼を得るためには、資格取得は非常に重要な項目です。

例えば、フィットネスクラブ等の店頭やネットを通した集客をする際に、トレーナー自身の写真はもちろん、過去の経歴や得意な分野、保有している資格を公開することが多くあります。その中で、クライアントから信頼を得るためには、資格の保有が空っぽよりも、アピールできた方が断然チャンスです。むしろ、空っぽなトレーナーに任せたいというクライアントは、ほぼいないです。中でも、NSCAは業界内で信用力や認知力でいうと、最も優れた資格の1つですので、もっていると非常に有利な立場になれるでしょう。

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NSCAとは？

NSCA（全米ストレングス＆コンディショニング協会）とは
「National Strength and Conditioning Association」から頭文字を取った略称です。日本におけるストレングストレーニングとコンディショニングの指導者の育成や教育、一般の人々からアスリートまで、健康の維持・増進、傷害予防やパフォーマンスの向上などに貢献するために活動している国際的なアメリカの団体です。
このNSCAに関する資格は世界でも約5万人が保有しており、
「スポーツの成績とフィットネスに関連するストレングスについての専門的意見交換を促進し、会員の団結を図る」ことを目的にし、日本でもこの理念に共感してNSCAジャパンが設立されました。
NSCAはフィットネス業界でも非常に認知が広く、世界的な資格ですから、日本のみならず、海外でも活躍できるスキルを持っていることの証明でもあるので、取得を検討している方には非常におすすめです。

トレーナー資格NSCA認定とは？

国際的な団体「NSCA」が認定しているフィットネス系資格には、以下の2種類が存在します。

NSCA-CSCS：スポーツ選手のパフォーマンスの向上や怪我の予防を目的とした資格

スポーツ選手やプロを目指してトレーニングしている方を対象に、トレーニングメニューを作成・提案をしお客様への指導を許された資格です。この資格をもっていると、高度な知識と技術を持っていると判断され、スポーツチームに帯同して指導することができるようにもなります。基本的には、スポーツ選手やプロを目指してトレーニングしている方への指導に特化した仕事がメインになります。

NSCA-CPT：フィットネスやトレーニングに関した専門知識と技術をもっており、CSCSと比べて幅広い属性の方への指導を目的とした資格

主にフィットネスジムでトレーニングの指導をするトレーナーがこの資格を取得しています。フィットネスジムでお客さんとマンツーマン指導をしたり、オンラインや出張パーソナルなどの流動的な働き方に対応できる資格と言えるでしょう。ターゲットとしては、運動の目的が筋肥大、筋力アップやダイエット、健康維持・増進、ストレス発散など幅広い方への指導を中心とする方向けの資格となっています。

どっちを取得した方が良い？

結論、今後のキャリアプランに沿った取得を検討した方がいいです。ただ取得を目的に取り組んでも、現場ではその資格の価値が下がってしまう場合や、そもそもその資格を知りません、みたいな方もいるので注意が必要です。以下、キャリアプラン別に並べてみました。

CSCSを取得した方がいい人

・幅広い競技アスリートに向けた指導をしたい方
・競技のためにトレーニングをしている方へ指導をしたい方
・アスリートに特化している為、他トレーナーと差別化を図りたい方
・スポーツチーム内で活動したい方

CPTを取得した方がいい人

・筋力アップやシェイプアップなどのボディメイクをしたい方へ指導したい方
・身体の柔軟性や機能改善などをしたい方へ指導したい方
・フィットネスジム内で活動したい方
・幅広い基礎知識を身につけたい方
※JATI-ATIの取得を考えている方は、CPTはオススメ

補足ですが、NSCA以外にも世界的に認知度の高い「JATI-ATI」という資格があります。今後この資格取得を視野に入れている方は、NSCAのCSCSかCPTの資格を有している、もしくは取得経歴があれば、講習会などの手間は免除され、費用面の負担が少なくなるというメリットがあります。

CSCSは、CPTの上流にある資格とも言われています。そのため、多くのトレーナーはCPT資格を取ってからCSCSにチャレンジするといった流れが一般的になっています。幅広い知識や技術を習得しベースを確保しながら、専門的な分野に向けて差別化をするのがオススメです。これからフィットネスジムで働きたい、トレーナー資格の取得が初めてなど、まだトレーナー歴が浅く、これから知識や技術を身に付けたいという方には、CPTがオススメです。

認定条件とは？

CSCSの場合

NSCAジャパン会員であること
NSCAジャパンという団体、属性別に年会費を納めることで、NSCAの会員となることができます。その属性別の年会費は､次の通りです。どちらの会員種別であってもNSCA-CPTの資格取得条件として認められています。
・正会員 13,200円(税込)
・学生会員 11,000円(税込)

学位（学士・修士・博士）取得者、または高度専門士の称号の保持者であること
学校教育法が定める4年制大学もしくは6年制大学の卒業見込み者、または高度専門士の称号を保持する者。

CPTの場合

NSCAジャパン会員であること
CSCSと同様です。
こちらもどちらの会員種別であってもNSCA-CPTの資格取得条件として認められています。
・正会員 13,200円(税込)
・学生会員 11,000円(税込)

満18歳以上であること
2つ目の条件としては、18歳以上の年齢である必要があります。

高等学校卒業者または高等学校卒業程度認定試験の合格者であること
3つ目の条件は、高校卒業以上の学歴が必要となります。高校を卒業していない場合は、別で「高卒認定」と呼ばれる試験を受けて、高校卒業と同等の学力を有している認定を受けている必要があります。

有効なCPR/AEDの認定者であること
パーソナルトレーナーとして活動するためには、万が一クライアントが事故やケガ、病気を発症してしまった時のために、救命の知識とその方法を知っておく必要があります。
CPRとは、、、人工呼吸と心臓マッサージをおこなう心肺蘇生法のこと。
AEDとは、、、電気ショックにより心臓の動きを元に戻すための医療機器のこと。

NSCA-CPTを取得するためには、日本本赤十字社や消防庁が開講する救命講習会を受講し、CPR/AEDの認定を受けましょう。
→1回の講習で2つ同時にとれる場合がほとんどです。

NSCA-CPT認定試験に合格すること
上記のカテゴリーの条件をクリアした方は、NSCA-CPT認定試験を受けることができます。その認定試験に合格した方が、晴れてNSCA-CPTの認定を得ることができます。

※補足：NSCAジャパンの会員になる方法
WEBもしくは郵送で申請をします。
合わせて年会費(正会員：13,200円)を支払い、会員登録は完了になります。
詳細はこちらから
受験費用は50,200円(税込)となっています。

問題の内容

CSCSの場合

①基礎科学セクション

エクササイズサイエンス
バイオメカニクス、解剖生理学、トレーニングなどに対する対応が出題範囲です。競技選手やアスリートに対して適切なトレーニングプログラムを提供するには、エクササイズサイエンスの理解が必須項目です。特にアスリートには、ハードなトレーニングが必要となることが多いため、ケガがないよう安心して安全に効果的なトレーニングを提案・実践する必要があります。

スポーツ心理学
アスリートにとって、実践される試合などで
最高のパフォーマンスを発揮することが求められます。そのためには、トレーナーからクライアントに対して適切なアドバイスをし導くことが必要です。

栄養学
アスリートがトレーニング効果を最大限引き出すためには、栄養面の指導も必須です。食事の栄養素の管理、サプリメントの活用など、クライアントのライフスタイルを含めたアドバイスが必要となります。

②実践／応用セクション

プログラムデザイン
アスリートの健康状態や身体能力、トレーニング歴や目指す目標に基づいて、競技パフォーマンスを最大限に向上させ傷害の危険性を最小限に抑えるためのトレーニングプログラムを計画することが大きな役割となります。そのプログラムデザインについて、適切な知識と応用力が身についているかが問われます。

組織と運営
アスリートが安心してトレーニング指導を受けるためには、安全に施設を利用できる環境と運営が必要となります。その組織や店舗のマネージャーだけでなく、トレーナーも認識しておく必要があります。

テストと評価
トレーナー自身の主観で判断せず、基準を設けた適切なテストと評価方法を正しく理解する必要があります。アスリートが目標に向かって前に進むために、定期的なテストと評価を実施していくための知識をチェックしていきます。

CPTの場合

クライアントに対する面談と評価
まずはのクライアントへのトレーニング指導を始める前に、パーソナルトレーナーは、クライアントの健康状態や体力を事前に評価する必要があります。その評価のために必要となる知識や、食事面の知識に関する問題が出てきます。

エクササイズテクニック
さまざまなエクササイズ（トレーニング）に関する適切な動作方法や安全面、より効果的な成果を出すための知識があるかを問われる問題です。例えば、なぜその動作が間違いなのかを理解するために、解剖学の分野の知識も必要となります。

プログラムプランニング
クライアントの目的や目指す目標に対して、トレーニングメニューを作成するために必要な知識が問われる問題です。ウエイトトレーニングだけではなく、有酸素運動や瞬発力アップトレーニングなども含まれます。ケガや病気などのリスクをもっている方だけでなく妊婦や高齢者、病気のあるクライアントにも、臨機応変にプログラミングできるかどうかが問われます。

安全性、緊急時の手順、法的諸問題
クライアントへ指導するために、必要な設備や法律の知識なども必要になります。クライアントが安全に安心にトレーニングができるように、環境の整備は重要な項目です。

試験時間について

CSCSの場合

・合計4時間

・基礎科学セクション 1時間30分

・休憩15分

・実践／応用セクション 2時間30分

CPTの場合

・合計3時間

・3択問題

それぞれの合格率は？

CSCS認定試験の両セクションの合格率は約50%です。
（基礎科学セクションの合格率の方が、実践/応用セクションよりも若干高くなっています。両セクションに合格しなければ、CSCSとして認定されません）。NSCA-CPT認定試験の合格率は、約65%です。
引用：NSCA公式HP

CPTの方が、CSCSに比べて合格率は高いです。試験内容はCSCSの方がボリューム・難易度共に高いようなので、勉強時間もしっかりと捻出しなければならないように思えます。

しかし取得の難易度が高い分、他のトレーナーと差別化ができますし、参入障壁が高く設定されているので、信頼性は抜群です。もし自分だけでは勉強できない、正しい知識や技術を身に付けて確実に取得をしたい方は、スクールへの受講をオススメします。
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まとめ

いかがだったでしょうか。CSCSもCPTも同じNSCAの団体が有する資格ですが、それぞれ特徴が違いました。CSCSはスポーツ選手や競技のためにトレーニングをしている方への指導を考えているトレーナー向けの資格です。一方でCPTは筋力アップやシェイプアップなど幅広い目的を持った方へ指導を考えているトレーナー向けの資格です。

自分自身が置かれている環境や状況、今後思い描いているキャリアプランに沿った取得を考えていきましょう。また実際の試験内容や難易度にもそれぞれ違いがあります。特にCSCSは難易度が高いため、スクールでの勉強も視野に入れてみてもいいかもしれませんね。

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