FWJとは？NPCJやAPFとの違い、大会について詳しくご紹介

近年のフィットネスブームで筋トレする人はかなり増え、ボディビルやフィジークといった競技はより身近な存在となりました。

一方で、大会を主催する団体も多くなったり、名称が変わったりと、複雑になってきた側面もあります。

今回は、日本でボディビルやフィジークの大会を主催している団体の一つ、FWJについて説明します。

NPCJやAPFとの違いについても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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ボディビル団体の歴史

FWJやNPCJについて理解するために、まずボディビル団体の歴史について軽く知る必要があります。

年表でおさらいしましょう。

1901年、ドイツで世界初のボディビル大会が行われる

1946年、国際ボディビルダーズ連盟（IFBB）が設立

1955年、日本ボディビル協会が設立

1982年、日本ボディビル協会が日本ボディビル連盟（JBBF）に改組

2015年、一般社団法人NPCJ設立

2017年、IFBBがIFBBプロリーグとIFBBアマチュアに分裂

2020年、IFBBプロリーグの下部組織としてNPC World wideが発足。NPCJはFWJに改名

2021年、Asia Physique Federation（APF）が発足

実は、ここに載っていないボディビル団体もたくさんあります。

簡単にまとめると、日本ではJBBFという団体のほかにNPCJという団体がありました。

現在NPCJはFWJに改名し、その後APFという、大会参加のハードルを下げ、より多くの人がフィットネスを楽しめる団体を発足させました。

では、FWJの詳細について説明します。

FWJ誕生からAPF発足に至るまで

FWJはつい最近できたもので、NPCJという名前の方がなじみのある方が多いかもしれません。

FWJを知るにはNPCJやそのほかの世界のボディビル団体との関係を把握する必要があります。

NPCJ発足

アメリカのアマチュアボディビル団体NPCの大会に準じた大会を日本で開く動きがありました。

そして、2015年2月1日、一般社団法人NPCJ（National Physique Committee Japan）が設立されました。

発足当時、日本代表の庄司さんはこのように言っています。

アメリカのフィットネス文化を日本に持ち込み、より多くの人が選手と観客という立場で楽しめるようにしたい。

実際今では、フィットネスの間口を広げ、出場カテゴリーも多種多様です。

FWJは、一昔前の、筋肉の大きさを最も評価する文化を払拭した存在ともいえるでしょう。

FWJが生まれた理由

2020年、IFBB プロリーグ の下部アマチュア団体として「NPC Worldwide」が発足。

名称の混乱を避けるためにNPCは改名せざるを得ず、FWJ（Fitnes World Japan）に改名することとなりました。

また、IFBB プロリーグ の傘下とはならず、独立した日本のフィットネス団体となっています。

しかしながら、FWJは世界最大級のアマチュア団体NPCの知識を審査に活かしており、大会はNPCやNPC Worldwideのルールに則っています。

また、FWJはIFBBプロリーグと提携しており、FWJの大会はIFBBプロへの架け橋となっています。

FWJの運営理念

FWJはフィットネス先進国アメリカに続くために、選手目線に立った大会を実施しています。

そのために、FWJは以下のような運営理念を掲げています。

・フィットネス競技を通じて、国籍や偏見などの人種差別をなくし、国民の健康促進、社会・文化の発展並びに国際親善に寄与する。

・ステージに立つことを１つの目標として、ご子息・ご息女やご家族一緒にチャレンジすることで、ご家庭内やお子様の成長・自立心を育てていくきっかけを創造する。

また、より多くのトレーニーが出場できるよう、FWJの大会に特別な出場資格は設けられていません。

加盟ジム、所属団体、国籍等は関係なくスポーツマンシップが守れれば、誰でも出場可能となっています。

APF発足

FWJは、フィットネスコンテストをより多くの日本人に楽しんでもらえるよう、大会の間口を広げるためにAPFという団体を設立しました。

そのため、APFでは発達しすぎた筋肉は評価されず、スポーツやアクティビティで培った肉体美が好まれます。

自然体が重視されるため、初心者でも参加しやすく、FWJと比べても敷居が低くなっています。

また、キッズフィジークやファミリーフィジークというカテゴリーでは幼児から参加でき、家族で楽しめるのも特徴です。

FWJの出場カテゴリー

FWJは国籍、所属、偏見をなくし、コンテストを通じて、一人ひとりの生活をより豊かにする選手支援企業となることを約束しています。

そのため、より多くの人が楽しめるよう、出場カテゴリーが多岐にわたります。

また、カテゴリーによって評価される体つきや審査基準が変わるので、特徴を押さえておきましょう。

FWJでは男性3つ、女性4つの部門が用意されています。

自分の理想やライフスタイルに合った目標をもって取り組めるよう、カテゴリーごとに求められる姿が変わります。

ボディビルディング

端的に言うと、筋肉の大きさとそのカット、ストリエーションという筋膜の筋などで表現される極限の体つきを競い合う部門です。

筋肉のバランスや、ポージングによる筋肉の表現も審査対象とされ、誰もが最終的に目指すゴールのような存在です。

選手には筋肉を見せるための規定ポーズがあり、次の8種類になります。

フロントダブルバイセップス

フロント ラットスプレッド

サイドチェスト

バック ダブルバイセップス

バック ラットスプレッド

サイド トライセップス

アブドミナル アンド サイ

モスト マスキュラー

ただ筋肉が大きいだけではなく、規定ポーズによる筋肉の見せ方、他の選手にはない特徴がないと中々勝つことができません。

筋肉を見せる競技において、最も難しく最も高尚な種目といっても過言ではないでしょう。

メンズフィジーク

夏の海辺でかっこよくサーフパンツを履きこなす男性、というのをコンセプトとしています。

そのため、ボディビルディングのような発達しすぎた筋肉は求められず、それらはかえって減点対象となります。

サーフパンツを着用し、上半身とひざ下の部分が露出することになり、太ももやお尻の筋肉は評価対象にはなりません。

また、規定ポーズはフロントとバックの2種類だけです。

適度な筋肉がある上で、ポージングによって爽やかな印象をどれだけアピールできるかがポイントとなります。

ノービスチャレンジやノービスファーストチャレンジなど、初心者でも参加しやすいクラス分けがされているのも特徴です。

クラシックフィジーク

メンズフィジークとボディビルディングの中間のような部門です。

規定のトランクスを着用し、筋肉の大きさ、皮下脂肪の少なさ、体全体の筋肉のバランス、体のアウトライン、ポージングなどが評価対象となります。

また、クラス分けがIFBBプロリーグのルールに則っているのも特徴です。

筋肉の迫力は求められず、下半身の肉体美を表現するということから、フィジークとボディビルディングの良いとこどりな部門です。

規定ポーズはリラックスポーズをクォーターターンで行い、以下の5つのポーズをとります。

フロントバイセプス

サイドチェスト

バックダブルバイセプス

アブドミナル & サイ

好きなクラシックポーズ（マスキュラーポーズ以外）

ビキニ

ビキニは女性の部門の中で、もっとも女性らしい振る舞いが必要な部門だと言えるでしょう。

バストからヒップまでのラインを強調し、筋肉よりもアウトラインの美しさが評価対象となります。

イヤリングや耳ピアス、指輪、ブレスレットが着用可能で、髪型からメイクまで、トータルパックとしての美を追求する部門となります。

メンズフィジーク同様、初めて参加する方向けのノービスチャレンジやノービスファーストチャレンジなどのクラスが用意されています。

規定ポーズはフロントとバックの2種類ですが、肘を曲げて横にしたり、手首を上に曲げたりすると減点対象となります。

わいせつなしぐさは禁止とされているため、事前にポージングの練習をする必要があります。

ウェルネス

メンズフィジークが上半身に重きをおく部門だとするなら、ウェルネスは大臀筋、大腿部などの下半身に重きをおいた部門です。

もちろん上半身も鍛える必要はありますが、下半身ほどではありません。

ビキニ部門との違いは、下半身の筋肉の大きさが求められることです。

イヤリングや耳ピアス、指輪、ブレスレットが着用可能で、ハイヒールの高さ制限もなく、肌のつややポージング、表現力やカリスマ性など、総合的な外観の美しさが評価対象となります。

規定ポーズはフロント、サイド、バック、サイドの右回りクォーターターンです。

以下の点に注意しましょう。

フロントポーズ：片方の手を腰に、もう片方の腕を真っ直ぐ下に向け、片方の脚を少し伸ばした状態で正面を向く。

サイドポーズ：正面側の脚を伸ばし、もう片方の脚を曲げます。曲げた方の手を腰に当て、もう片方の手はまっすぐ下ろします。

バックポーズ：ビキニのバックポーズと同様、臀筋が押し戻されて腰がアーチ状になっている状態で後ろを向きます。

また、減点対象となるポーズや禁止されている動きはビキニと同じです。

フィギュア

フィギアはボディビルほどの筋肉は求められませんが、全体的な筋肉のバランスと適度な皮下脂肪の少なさを競う部門です。

過度に脂肪が少な過ぎるのは減点対象となり、あくまでもしなやかな女性らしさが求められます。

ハイヒールを履き、アクセサリーの着用が可能で、表現力、ポーズ、笑顔や堂々とした立ち振る舞い、魅力などを総合的に審査されます。

規定ポーズは4つあり、フロント、サイド、バック、サイドの右回りクォーターターンです。

ウィメンズフィジーク

ウィメンズフィジークは、女性らしい体つきで、筋肉の美しさを表現する部門です。

過剰な筋肉は減点対象となり、女性らしさを維持しながらのしなやかな体つきが求められます。

ツーピースビキニを着用し、ビキニショーツの形はＶシェイプと決まっています。

総合的な芸術性を追求し、フィギュアの審査基準に適度な筋発達が加わることを推奨しています。

規定ポーズが5つあり、男性のボディビルディングに似たものが多いですが、どれも少し違うのも特徴です。

フロント ダブルバイセップス（両手の指は広げ、ツイストを入れたフロントポーズにする）

バック ダブルバイセップス （両手の指は広げる）

サイド トライセップス（片脚は伸ばす）

サイドチェスト（両腕は伸ばす）

フロントアブドミナル アンド サイ

APFのカテゴリー

FWJは、フィットネス先進国の文化を日本でも広げるため、ボディビルディングとは違うアプローチで選手たちが活躍できる場を提供してきました。

APFでは、そこからさらにより多くの人に楽しみながら、フィットネスに取り組んでもらえるよう、様々な部門を用意しています。

いくつか特徴的なものを紹介します。

メンズアスリートモデル

メンズアスリートモデル部門は、フィジークの入門のような位置づけになります。

上半身の筋肉をアピールできますが、ジーンズを履き、アクセサリーは、結婚指輪、耳ピアスが着用可能で、比較的自由度が高いです。

スポーツやフィットネスで鍛えられたたくましい体つきを評価されますが、過度な発達は特に求められていません。

筋肉の発達以外にも、爽やかな立ち振る舞いや、髪型、顔つき、ズボンや靴の着こなしなどが評価されます。

規定ポーズはフロントとバックのみとなっています。

メンズフィットネスモデル

メンズアスリートモデルの入門的な位置づけになります。

ジーンズを履き、規定のタンクトップを着て、ファッションモデルのような立ち振る舞いが求められます。

過度な筋肉の発達は求められず、ファッションセンスも含めたト－タルパッケージでの表現力が求められます。

規定ポーズはメンズアスリートモデルと同じく、フロントとバックの2種類です。

ファミリーフィジーク

FWJやAPFの運営理念にある通り、子どもも含めて家族全員でステージ上に立つ喜びや楽しさを分かち合えるカテゴリーです。

親子一緒に、健やかな体を家族や親戚に披露することで、子どもが心身ともに成長できる場が設けられています。

フロントとバックの規定ポーズがありますが、好きなポーズを取って楽しさを共有する部門となっています。

まとめ

FWJやNPCJなど、団体の名前や関係を把握するためには、世界にまで目を向ける必要があります。NPCJが改名してFWJになり、入門者向けに新たにAPFという団体を作りました。また、フィットネス文化を普及させるため、初心者向けのカテゴリーが多くあります。ボディビルやフィジークに憧れがある人は、ぜひFWJの各部門にエントリーしてみてはいかがでしょうか？

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