「パーソナルトレーナーになるにはどんな資格が必要なの?」
「NSCA-CPTを取得するとどんなメリットがあるの?」
「NSCA-CPTを取得するにはどう勉強すればいいの?」
といった悩みを抱えていませんか?
パーソナルトレーナーを目指すならNSCA-CPTはもっともおすすめの資格です。
そこで今回は、
- NSCA-CPTとは何か?
- NSCA-CPTを取得するメリット
- NSCA-CPTを取得するためのおすすめ勉強法
を紹介。
今回の記事を読んでもらうことで、NSCA-CPTについての理解が深まります。パーソナルトレーナーとしての1歩目を踏み出しましょう!
NSCA-CPTとは
NSCA-CPTができること
NSCA-CPTはNSCAという団体が発行する民間資格。NSCA-CPTを取得すると、さまざまな年齢や性別の人を対象にトレーニング指導をすることができるようになります。運動生理学や解剖学などの専門知識を用いてトレーニング指導をすることはもちろん、お客様のモチベーションを高めることや教育していく能力も必要です。
NSCAはアメリカの団体
NSCAは1978年にアメリカで設立。科学者とスポーツ現場の橋渡しをすることであらゆる人の健康増進やアスリートの競技力向上、障害予防を目指す団体です。
また、NSCAは世界中に会員が在籍(世界52か国で33,000人)しており、NSCAが発行する資格は世界的にも有名。アメリカの資格認定委員会であるNCCA(全米資格認定委員会)からも認定されており、世界的に信頼度の高い資格です。なので、NSCA-CPTは日本のトレーナー業界でも信頼度の高い資格と評価されています。
CPTとCSCS
NSCAが発行する資格には、「NSCA-CPT」と「NSCA-CSCS」の2つ。
それぞれの違いをまとめます。
NSCA-CPT | NSCA-CSCS | |
対象 | 幅広い層に対して健康増進、体力向上の指導を行う | アスリートのパフォーマンス向上、障害予防の指導を行う |
合格率 | 約75% | 約50% |
活かせる職業 | パーソナルトレーナー、ジムインストラクター | アスレティックトレーナー、ストレングストレーナー、研究者 |
NSCA-CPTは一般への指導向き、NSCA-CSCSはアスリートへの指導向きの資格です。NSCA-CSCSはNSCA-CPTの上位資格とも言われており、試験の難易度も高く合格率も低くなっています。
パーソナルトレーナーになりたいならNSCA-CPT、アスリートのパフォーマンス向上や怪我予防の指導をしたいならNSCA-CSCSというように、自分が目指すものに合わせて取得する資格を検討しましょう。
他のトレーナー資格との違い
パーソナルトレーナーには国家資格がありません。NSCA以外にもパーソナルトレーナーになるための民間資格がいくつかあります。その中でも代表的なものはNESTA-PFT、JATI-ATIの2つです。
そもそも発行する団体も違いますし、受験するための費用や条件も異なります。
資格 | NSCA-CPT | NESTA-PFT | JATI-ATI |
認定する団体 | NSCA | NESTA | JATI |
取得費用 | 年会費 13,200円 受験料 46,000円 | 年会費 12,000円 受験料 107,500円(WEBコース受講の場合) | 年会費 11,000円 受験料 148,500円(養成講習会の費用込) |
合格率 | 75% | 50〜60% | 63% |
NSCAはこれらの資格の中で国際的にも国内でも、もっとも知名度の高い資格です。また、他の2つの資格と比べて費用が安く受験でき、受験するときの条件も厳しくないことから受けやすい資格になっています。
NSCA-CPT 取得するメリット
NSCA-CPTを取得することによるメリットは主に
- 就職、業務委託での活動がしやすくなる
- 受験しやすい
- 資格取得後もスキルアップにつなげやすい
この3つです。それぞれ解説していきます。
就職、業務委託での活動がしやすくなる
NSCA-CPTは世界的にも有名な資格。就職や業務委託契約でトレーナー活動をする際に採用されやすいです。NSCA-CPTの資格があることで、パーソナルトレーナーとしての知識があることをアピールできます。
受験しやすい
他の資格だと事前に講習を受ける必要があったり、受験する場所や日程も最初から決まっていることが多いです。しかし、NSCA-CPTは事前の講習などはなく、受験する場所や日程もある程度自由に選ぶことが可能。受験するための費用も他の資格と比べて安くなっているので、もっとも受験しやすい資格になっています。
資格取得後もスキルアップにつなげやすい
NSCA-CPTの資格は更新制です。更新するためには指定のセミナーなどの受講が必要。資格をとって終わるのではなく、勉強し続けなくてはならないので結果的にスキルアップにつながります。また、毎月会員に送られる機関誌も情報が豊富なので知識をアップデートするのに有効です。
受験方法
受験資格
NSCA-CPTの試験を受験するためには
- 出願時および受験時に、NSCAジャパン会員(正会員、学生会員、英文会員)であること。
- 出願時に、満18歳以上であること。
- 出願時に、高等学校卒業以上の者または高等学校卒業程度認定試験(大学入学しかく検定)合格者。
このすべての条件をクリアすることが必要です。出願時に学歴証明の書類を提出することで受験資格を確認します。
また、資格の認定にはCPR/AED認定証(心肺蘇生、AEDの使い方などの講習を受けたことの証明)のコピーを提出することが必要。各消防署などで行われている救命講習を受講すると取得できるので、忘れずに受講するようにしましょう。
受験の流れ
NSCA-CPTの試験を受験するときの流れは
- NSCAジャパンに会員登録
- 出願
- テストセンターの予約
- 実際に受験する
となります。
1.NSCAジャパンに会員登録
NSCA-CPTの試験を受験するにはNSCAジャパンの会員になることが必須。NSCAジャパンの入会案内ページからNSCAジャパンの会員になる手続きをしましょう。
NSCAジャパンの入会案内ページ→https://www.nsca-japan.or.jp/02_admis/top.html
2.出願
NSCAジャパンに会員登録すると、NSCAジャパンのマイページが使用できるようになります。マイページの上部にある「試験」から「出願」を選ぶことで出願を進めましょう。出願を完了させたあと、受験料の支払い、学歴証明書の提出を行うことで出願の手続きが終了します。
3.テストセンターの予約
NSCA-CPTの試験は自分の好きな日に受験することが可能。出願手続きの終了後、1〜2週間ほどで試験予約の案内メールが届きます。メールの案内にしたがって予約の手続きを進めて、テストセンターの場所、日時を決めて予約しましょう。
4.実際に受験する
当日は試験が始まる時間の15分前には会場に着くようにしましょう。試験の開始前に本人確認、受験時の注意事項の説明などを行ったあとに試験が始まります。また、試験の開始時間から15分以上遅れた場合、有効な身分証明書がなく本人確認ができない場合は原則受験は認められずに欠席扱いになってしまうので注意してください。
受験にかかる費用
NSCA-CPTの受験にかかる費用は
- NSCAジャパン会員の年会費 13,200円
- NSCA-CPTの受験料 46,000円
合計59,200円必要です。NSCAジャパンの年会費は会員登録のとき。NSCA-CPTの受験料は出願のときに支払うことになります。
NSCA-CPT 試験の要項
試験の方式
NSCA-CPTは3択式の試験で、コンピューターを使った試験なのも特徴。コンピューターの画面に問題が出されるので、画面上で選択肢を選び回答するという試験方式です。
また、筆記用具の持ち込みができませんが、ホワイトボードとマーカーの貸し出しがあります。(計算問題も出題されるのでその際に使用)
出題範囲
NSCA-CPTの出題範囲と問題の配分です。
分野 | 問題配分 | 問題数 |
クライアントに対する面談と評価 | 25% | 32 |
プログラムプランニング | 31% | 45 |
エクササイズテクニック | 31% | 43 |
安全性、緊急時の手順、法的諸問題 | 13% | 20 |
ノンスコアード問題 | ー | 15 |
合計 | 100% | 155 |
各分野について簡単に解説します。
クライアントに対する評価と面談
トレーニング指導をする前に行うことの知識が問われます。トレーニングを実施する前にはお客様との面談を通して、現状の健康面、体力面の評価することが必要。この時、栄養学の知識も必要です。
プログラムプランニング
お客様の目的に合わせたプログラムを作成するための知識問題。この時、ウエイトトレーニング、有酸素運動、プライオメトリックトレーニングなどを用います。また、健康なお客様に限らず糖尿病、高血圧、高齢者、妊婦、腰痛の人などに適切なプログラムを作成できるかも必要なポイントです。
エクササイズテクニック
各トレーニング(ウエイトトレーニング、ストレッチなど)の適切な動作の理解。また、動作が間違っている場合の修正方法が問われます。エクササイズテクニックの理解には解剖学、バイオメカニクスの知識が重要です。
安全性、緊急時の手順、法的諸問題
安全な施設の条件や機器の管理、いざというときのための法律諸問題についての知識が問われます。
ノンスコアード問題
将来的に試験問題になる可能性のある問題。直接採点には影響しませんが、どの問題がノンスコアード問題かわからないようになっています。
合格基準
NSCA-CPTはスケールド・スコア(難易度が異なる問題を調整した得点のこと)が70以上で合格になります。簡単にいうと正答率70%が合格ラインです。
また、2020年度のNSCA-CPTの合格率は75%。そこまで難しい資格ではないですが、過去には合格率が50%前後のこともあったので気を引き締めて勉強しましょう!
試験時間
試験時間は3時間。長めに設定されているので、基本的には時間が足りなくなることは少ないです。
NSCA-CPTの勉強方法
NSCA-CPTを取得するための勉強方法は
- 独学
- スクールに通う
の2つ。それぞれ向いている人、勉強の方法を紹介します。
独学
独学のメリット
独学で取得するメリットは費用を安く抑えることができることと、短期間での取得を狙うことができること。かかる費用は受験料だけですし、試験の日程も自由に選ぶことができるのですでにある程度の知識があれば1ヶ月ほどでの取得も狙えます。
こんな人におすすめ
独学は
- 費用を安く抑えたい
- すでにトレーナーとして活動しているなどある程度の知識がある
といった人におすすめ。
独学で基礎知識があれば3ヶ月、基礎知識がない場合でも6ヶ月ほどの学習で合格を狙えるレベルまで勉強を進めることが可能です。
勉強方法
おすすめの勉強方法はとにかく問題を解きまくること。問題集の問題を何度も解いて、わからないところをテキストで確認するようにしましょう。
また、公式の問題集だけだと問題数が少ないです。メルカリにNSCA-CPTの対策問題集が売られているので、問題数の多いものを選んで繰り返し問題を解くようにしてください。
スクール
スクールのメリット
スクールでの資格取得を目指すメリットは知識に自信がなくても取得を目指しやすいことと、実際の指導にもいかしやすくなること。NSCA-CPTの資格取得者や現役のパーソナルトレーナーが教えてくれるので、わからないところを質問できたり現場でのいかし方を学ぶことができます。
しかし、スクールの場合は費用が高くなってしまうのがデメリット。価格の相場としては40〜60万円となっています。
こんな人におすすめ
スクールは
- トレーナー未経験で知識に自信がない
- 費用は気にせず確実に取得したい
といった人におすすめです。経験のある講師から学ぶことで、確実に資格取得を目指しましょう。
まとめ
今回はNSCA-CPTについて、国際的に信頼性の高い資格であること、就職のしやすさや受験しやすいこと。また、試験の範囲や受験方法、おすすめの勉強方法も紹介しました。
NSCA-CPTはこれからパーソナルトレーナーを目指す人にもっともおすすめできる資格です。パーソナルトレーナーとして活動していきたいと考えている人はぜひ、取得を目指してください!