柔道整復師の給料は？仕事内容と将来性もわかる

医療系国家資格の1つである柔道整復師は、介護やスポーツなど幅広い分野で需要が高まっています。

「柔道整復師の給料はどれくらいなのか」

「柔道整復師の仕事内容を知りたい」

「柔道整復師の需要や将来性を知りたい」

上記のような疑問を持っている方が多いと思います。

高齢者が健康的な生活を送るために、柔道整復師の知識と技術が必要となるケースが増えています。そんな柔道整復師ですが、給料事情はどうなっているのか気になる方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、柔道整復師とは何かと給料についてご紹介します。また、柔道整復師の仕事内容と将来性も合わせて解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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柔道整復師とは？

柔道整復師は、人間の治癒力を利用して打撲や捻挫、挫傷などの症状に対して治療する伝統的な医術を行う専門家です。柔道整復師の治療は、医療類似行為と定められているため保健治療に適応されます。柔道整復師は、単独で骨折や脱臼などの整復固定が許されている医療系国家資格です。

そのため、医師の処方がなくても打撲や捻挫などの怪我に対応できるために、スピーディーに治療ができるといった特徴があります。柔道整復の知識や技術が学べる大学や専門学校などを卒業して、国家試験に合格する必要があります。資格を取得すると、整骨院や接骨院、病院の整形外科などに就職するのが一般的です。また、実力や経験を積むと独立して、個人で開業することも可能なので活躍する幅は広がります。

柔道整復師の給料はどれくらい？

柔道整復師は、働く地域や個人の経験、技術によって給料の差が大きく変わります。資格を取得したばかりの新人とベテランであれば、自然にベテランの方の給料が高くなる傾向にあります。新卒で正社員になると、給料は月23万円前後が相場です。

また、雇用形態が契約社員やアルバイトなどで給料は大きく変動します。そのため、平均年収は300～400万円程度と言われていますが、経験や能力に応じて600～700万円程度まで上がる可能性は十分にあります。整骨院のアルバイトやパートの場合は、時給制となり働いている場所の最低賃金となり1,000～1,500円程度です。実績と経験を積めば、正社員として勤務することもできるでしょう。

近年は、整骨院や接骨院を独立開業している柔道整復師が増えており、高収入を得るのも難しくなっています。今後、独立開業を目指す方は、独立開業の準備をしっかりと行い、地域に信頼できる整骨院を目指すことで年収アップが期待できます。

柔道整復師の仕事内容

人気の資格となっている柔道整復師は、どのような仕事内容なのかを具体的に見ていきましょう。

評価

まず、患者さんの症状をしっかりと把握することが重要です。問診や視診、触診などで患者さんのケガの状態や程度などを確認します。そして、患者さんの自然治癒力に合わせて治療方針を決めていくのです。柔道整復師は、患者さんとのコミュニケーションを密に行い、適切に評価することが重要です。

整復

整復とは、骨折による骨の損傷や捻挫時の関節部分のずれなどを、手技により施錠の位置に戻す治療法です。血管や揉むや伸ばす、引っ張るといったアプローチを行い、血管や神経などを傷つけないように、慎重に対応することが求められます。

また、施術に耐えられる痛みなのかを把握するために、患者さんの表情や顔色を確認する、しびれの有無をチェックすることも重要です。レントゲン画像がない場合は、患部をしっかりと観察して、負傷した状態に合わせた施術を行います。

固定

固定とは、ギブスといった固定材やテーピングなどで患部を固定して、患部の治癒の促進や傷みの軽減などが可能となる治療法です。安静、冷却、圧迫、挙上4つの方法があります。

① 安静

患部をギブスやテーピングなどを使用して固定し、無理な動きによるぐらつきを防ぐ方法です。患部を動かすと、内出血や腫れなどが起こり神経を傷つけるため、さらに症状を悪化させる原因となります。そのため、患者さんの症状に合わせて、固定方法や治療器具を選択することが大切です。

② 冷却

患部をアイスバッグや氷を入れたビニール袋で冷やす方法です。患部を冷やすことで、腫れや炎症、内出血を抑えて、痛みを軽減させます。ただし、冷やしすぎると凍傷になる可能性があるので、15～20分程度を目安に外すなどの調整が必要です。

③ 圧迫

患部にパッドやスポンジなどをあてて、圧を加えながら固定する方法です。内出血や腫れなどを抑えて、症状の悪化を防ぐことができます。ただし、冷却と同様に長時間圧迫すると逆効果になるので、15～20分間隔で圧迫するといった症状に合わせた対応が重要です。

④ 挙上

患部にクッションや枕をあてて、心臓よりも高く上げる方法です。腫れを抑えながら、症状の回復を促すことができます。

後治療

後治療は、患者の治癒力を促進する手技療法や物理的な刺激で機能回復を目指す物理療法、運動慮法などを行うリハビリテーションのことです。患者さんのケガを整復や固定などの治療の後に、早期に正常な運動機能や治癒の促進を図ります。

① 手技療法

柔道整復師の手技により、揉んだり叩いたりすることで自然治癒力を高めます。骨や筋肉の機能、血液循環、リンパ液の分泌などが活性化を促して、回復を早めることが可能です。そのため、人体の構造や機能などを学び、正しい施術方法を身につけることが求められます。

② 物理療法

温熱や電気、超音波、光などの物理エネルギーによる刺激を与えます。そうすると、血行を促進して、組織の活性化をして正常な身体機能を取り戻すことが可能です。

③ 運動療法

柔道整復師の指導のもと、患部を動かすことで身体機能を回復させます。特に、長い間ギブスやテーピングなどで固定すると、筋肉や関節が固まり、身体の動かし方が分からなくなります。正常に身体を動かすために、柔道整復師が運動を適切にサポートすることが重要です。

指導管理

日常生活を把握して、患部に影響が生じないのか適切な指導を行います。また、日常生活を通してケガの予防に努めることで、安心してスポーツや趣味などを続けられます。

 柔道整復師の現状と将来性

柔道整復師の国家資格を取得すると、介護分野や医療分野、スポーツ分野など活躍の幅が広がります。実際に、柔道整復師の現状と将来性はどうなっているのかについて解説します。

高齢者に向けた地域医療に貢献

各地域で整骨院や接骨院を開業することで、地域医療の最前線で活躍が期待されます。高齢化が進む中で、介護施設やリハビリテーション施設での需要が高まっているのです。高齢者は、病気やケガのない元気な体を保持することで、日常生活を楽しく過ごすことが当たり前となってきています。高齢になると、足腰が弱くなり骨折や捻挫などがきっかけで介護が必要となるケースがあるのです。介護状態を防ぐために、柔道整復師の施術を受けることで症状の回復に努めることで元気に生活ができます。

介護分野にて機能訓練指導員として活躍

2000年から機能訓練指導員として働ける資格が付与されたことで、ますます活躍の場が広がります。機能訓練指導員とは、運動機能に障害のある人にリハビリテーションを指導する人材を育てることです。デイサービスや特別養護老人ホームなどは、機能訓練指導員の1名配置が義務化されました。今後は整骨院だけでなく、介護・福祉分野において活躍する機会が増えるでしょう。

スポーツ分野のスポーツトレーナーとして活躍

柔道整復師の知識と技術は、スポーツ外傷に対する応急処置や回復を促すリハビリとして有効です。柔道整復師はスポーツトレーナーとして、スポーツ選手やアスリートなどをサポートできます。人体に関する専門知識や整復、固定の処置、後治療などの技術がスポーツ現場にて活躍が期待できます。また、ケガの予防や予後において、しっかりとサポートできますのでスポーツ分野に適した資格と言えるでしょう。

柔道整復師に向いている人

整骨院の他に、スポーツ現場や整形外科クリニック、介護現場など幅広い分野で活躍の場が広がっています。柔道整復師として働く上で、どのような人が向いているのかご紹介します。

コミュニケーション能力がある人

柔道整復師は、患者さんとの信頼関係を築くためにコミュニケーションは必須です。常に、患者さんに寄り添い、どのような症状なのか、どのようなことに困っているのかなどを把握することで適切な施術が可能となります。また、子どもから高齢者まで幅広い年齢層に合わせてコミュニケーションを行うことが大切です。

健康的で清潔感のある人

柔道整復師は、自分自身が健康であり、清潔感を保つことが重要です。普段から健康管理に気をつけて、患者さんと向き合って評価や施術を行うことが必要です。また、仕事の中で体力を使う場面がありますので、日常的に体を動かすことが好きな方に向いています。

手先が器用な人

柔道整復師の治療においては、患部に木をあててギブスで固定する、テーピングをするなど専門的な知識と技術を有しています。素早く丁寧な整復や固定などの施術を行いますので手先が器用さが求められます。患部の状態や症状により、施術方法が異なるので丁寧に作業することが重要です。

向上心があり勉強熱心な人

医療は、日々進化しているので常に新しい知識や技術を習得する必要があります。資格取得した後も、勉強して医療知識や技術を磨いて向上心を持って働くことが重要です。また、患者さんの症状は異なりますので、一人ひとりに合わせた施術を実施します。そのため、患者さんに合わせた施術を実施するために、何ができるのかを常に考えながら研究や勉強に励む人が向いています。

柔道整復師になるには？

柔道整復師になるには、養成校の所定のカリキュラムを履修し、国家試験に合格すると資格取得できます。柔道整復師になるためには、大学か専門学校のどちらかに進学することが必要です。

大学の場合

柔道整復師の資格を取得できる大学は、全国で15校程度となり専門学校に比べて少ないです。メリットとしては、大卒の学歴を手に入れることができ、一般教養分野を学べるので視野が広がります。また、4年制大学なので楽しいキャンパスライフを送ることができ、将来設計をゆっくりと検討することも可能です。

柔道整復師の他に、目指したい資格があるのなら大学に進学する方法もあるでしょう。大学では長期休暇を利用して、整骨院や接骨院などで研修やアルバイトをして実践経験を磨くことも可能です。ただし、大学は専門学校に比べて学費が高めとなりますので、しっかりと情報収集をして大学進学を目指すのか検討しましょう。

専門学校の場合

柔道整復師の専門学校は、全国に80～90校あり、授業の進め方はそれぞれの学校で異なります。授業内容や科目が資格に必要な知識や技術を学ぶことができ、実習内容も学校ごとに特色があります。また、専門学校によっては、スポーツ関連実習や研修施設での臨床実習も可能です。柔道整復師として、選択の幅が広がるので、ご自身に適した学校を選ぶことが可能です。

専門学校は3年制なので、大学より学費を抑えることができ、就職支援が充実しています。また、学校によっては夜間コースを設けている場合もありますので、働きながら資格取得を目指せます。早めに資格取得して、社会人として働きたいのなら専門学校に通うといった選択肢もあるでしょう。専門学校に進学する場合は、ご自身のスタイルや目的に合わせて決めることが重要です。

まとめ

柔道整復師は、整骨院や接骨院にて骨折や捻挫、打撲などのケガに対して自然治癒力を促して治療できる医療系国家資格です。平均年収は、300～400万円程度となり、経験や能力に応じて600～700万円程度まで上がる可能性があります。柔道整復師は、患者さんを評価して、整復や固定、後治療などの適切な施術を行うのが主な仕事です。

柔道整復師は、介護分野において機能訓練指導員として指導できる、スポーツ分野にてスポーツトレーナーとして活躍できます。また、柔道整復師として実績と経験を積むことで整骨院や接骨院を独立開業することも可能です。ご自身がどのような分野で活躍したいのかを見極めて、行動することが大切です。

資格を取得するためには、大学や専門学校に進学して専門知識や技術を学び、国家試験に合格する必要があります。柔道整復師に向いている人は、高いコミュニケーション能力、健康的で清潔感がある 、向上心があり勉強熱心であることが挙げられます。

今後、柔道整復師として活躍するためには知識や技術を磨くだけでなく、広い視野を持って新しい医療技術を学ぶことが重要です。なぜ、柔道整復師を目指すのかといった目的を明確にして、理想の仕事スタイルを見つけましょう。

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