「鍼灸師の国家試験はいつあるの？」

「試験科目は？」

「合格は難しい？」

といった疑問を持ってはいませんか？

そこで今回の記事では

• 鍼灸師とは？
• 鍼灸師の国家試験の概要
• おすすめ勉強法
• おすすめ参考書

を紹介。今回の記事を読んでもらうことで鍼灸師の国家試験について概要や合格のための勉強方法がわかります。これから鍼灸師を目指す人は必見です。

鍼灸師とは？

鍼灸師について

• 鍼灸師の仕事内容
• 鍼灸師になる方法

の2つを解説します。

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鍼灸師の仕事内容

鍼灸師とは、鍼（はり）や灸（きゅう）を使って全身のツボや筋肉にアプローチする東洋医学の専門家。鍼や灸を使った施術によって

• 自然治癒力を高める
• 病気の改善や予防
• 健康の増進

といった効果を狙います。

活躍の場所は鍼灸院、美容鍼灸サロン、スポーツ施設、福祉施設や医療施設などが主なものです。基本的に身体に痛みや不調を抱えている人が対象となります。

鍼灸師になる方法

鍼灸師になるためには国家試験に合格することが必要です。なぜなら、国家資格を持っていないと鍼や灸を使った治療を行うことができないから。具体的には、はり師ときゅう師の2つの国家試験に合格することが必要。鍼灸師になるためには必ず国家試験に合格しましょう。

試験の概要

鍼灸師の国家試験であるはり師ときゅう師の国家試験について

• 受験条件
• 日程
• 会場
• 試験時間
• 試験科目
• 試験方法
• 試験の問題数
• 受験手続き
• 受験手数料
• 合格発表
• 合格基準
• 合格率

といったポイントを紹介します。

受験条件

はり師ときゅう師の国家試験はすぐに受験できる試験ではありません。なぜなら、はり師ときゅう師の国家試験を受験するための条件があるから。その条件とは、国の指定する養成校を卒業すること。養成校には大学や短大、専門学校などさまざまあり、養成校で3年以上勉強することが必要です。この期間で鍼灸師として活動するための知識や技術を学びます。はり師ときゅう師のどちらも指定された養成校の卒業は必須。全国に鍼灸師の養成校はあるので、自分が通いやすいところを探してみてください。

日程

はり師ときゅう師の国家試験は例年は2月下旬に同じ日に実施されています。試験勉強の予定を立てるときは国家試験の日程を参考に逆算して考えるようにしましょう。

会場

はり師ときゅう師の国家試験は北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県の11都道府県で受験することが可能です。自分が受験しやすい会場を選びましょう。また、視覚障害のある人の場合は各都道府県で受験が可能。該当する可能性がある場合は確認するようにしてください。

試験時間

はり師ときゅう師の国家試験の試験時間は午前が2時間、午後も2時間の合計4時間となります。長丁場の試験となるので、長い時間集中できるように問題を解く体力をつけて臨みましょう。また、はり師ときゅう師のどちらか一方のみ試験を受験する場合は午後の試験が15分短くなります。

視覚障害を持つ人の場合は午前が3時間、午後が3時間の合計6時間の試験時間です。こちらは、はり師かきゅう師のどちらか一方を受験する場合は午後の試験が20分短くなります。

試験科目

国家試験の試験科目は共通科目とそれぞれの専門科目となります。共通科目は医療概論（医学史を除く。）、衛生学と公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、東洋医学臨床論。専門科目は、はり理論ときゅう理論がそれぞれの試験で出題されます。

はり師ときゅう師の試験を別で受験する場合はそれぞれで共通科目を受験する必要がありますが、同時に受験する場合はどちらか一方の共通科目を免除とすることが可能です。受験の手続きのときに確認するようにしましょう。

試験方法

はり師ときゅう師の国家試験は4つの選択肢から正答を選ぶ選択式。答案用紙はマークシートとなります。また、視覚障害者の人の場合は拡大文字や試験問題の音声の読み上げなどを選択することが可能。答案用紙も点字による回答など、いくつかある中から選ぶことができます。

試験の問題数

はり師、きゅう師の国家試験の問題数はそれぞれ午前が80問、午後も80問の合計160問です。しかし、はり師ときゅう師の国家試験をどちらか一方だけ受験する場合は、はり理論かきゅう理論の受験しない方の10問が除かれて午後は70問の試験となります。

受験手続き

受験手続きの際には

• 受験願書
• 写真用台紙
• 入力票
• 卒業（修業）証明書または卒業（修業）見込証明書

が必要。それぞれ解説します。

受験願書

公益財団法人東洋療法研修試験財団が配布する受験種類別の受験願書に必要事項を記入し、提出します。

はり師ときゅう師の国家試験を同時に受験する場合はきゅう師国家試験受験願書の所定の箇所に「同時にはり師 国家試験を受験したいので、はり師国家試験と共通科目の試験の免除 を申請します。」と記入し、はり師国家試験受験願書の所定の箇所には「同時にきゅう師国家試験を受験予定」と記入しましょう。そうすることで、共通科目の免除を受けることが可能です。

また、視覚障害のある人の場合は受験願書に

• 普通文字受験希望
• 拡大文字受験希望
• 超拡大文字受験希望
• 点字受験希望

から希望する受験方法を記入します。問題を音声で読み上げて欲しい場合もこちらにその旨を記入することで対応可能です。

写真用台紙

出願の6ヶ月以内に上半身を正面から撮影した縦6cm、横4cmの写真が必要です。財団が配布する写真用台紙に写真を貼り付けて、必要事項を記入した上で提出しましょう。また、写真の提出の際は卒業または在籍した養成施設の長か財団の理事長に本人かどうかの証明を受けることが必要です。直接財団で証明を受ける場合は顔写真付きの証明書（運転免許証など）を用意しましょう。

入力票

受験に関するデータを整理するために必要なもの。必ず願書と共に提出しましょう。また、写真用台紙からは切り離さないように注意してください。

卒業（修業）証明書または卒業（修業）見込証明書

卒業証明書を提出しないと試験を受験することはできません。卒業（修業）見込証明書を提出した場合は決められた期間内に卒業（修業）証明書を提出してください。期間内に卒業（修業）証明書の提出がされなかったときは試験が無効となってしまいます。

受験手数料

受験手数料は、はり師国家試験ときゅう師国家試験のどちらにもかかります。1試験につき11,600円かかり、2つ同時に受験すると23,200円です。支払い方法は

• 財団が指定する受験料払込用紙で払込
• 指定の口座への振込

があるので自分がやりやすい方を選んで受験料を支払いましょう。受験に関する書類が受理された後は受験手数料は返還されないので注意してください。

合格発表

合格発表は例年3月の末ごろに厚生労働省と財団で発表されます。また、厚生労働省と財団のホームページでも発表されるので確認しましょう。

合格基準

はり師ときゅう師の国家試験は60％以上の正答で合格となります。合格基準が高い試験ではないので、基本的な問題は確実に解けるようにしておきましょう。

合格率

はり師ときゅう師の国家試験の合格率を過去5年分まとめます。

はり師

はり師国家試験の過去5年分の合格率を表にまとめます。

合格率は57.7%〜76.4%となっており、平均すると約70％です。

きゅう師

きゅう師国家試験の過去5年分の合格率を表にまとめます。

きゅう師国家試験の合格率は62.5%〜78.5%となっており、平均は約73％です。

合格率まとめ

はり師ときゅう師の国家試験はともに合格率が70％ほどになっています。極端に難しい試験ではないので、しっかり対策することで合格は可能。養成校での勉強に加え、試験対策をすることで国家試験の合格を目指しましょう。

合格のための勉強方法

鍼灸師の国家試験に合格するための勉強方法のポイントは

• 早めに国家試験対策を始める
• 過去問を繰り返し解く
• 生理学や東洋医学は深く理解する

の3つ。それぞれ解説します。

早めに国家試験対策を始める

1つ目のポイントは早めに国家試験対策を始めること。その理由は、鍼灸師の国家試験は勉強する範囲が広いから。実際の試験範囲は、医療概論（医学史を除く。）、衛生学と公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、東洋医学臨床論。そして、はり理論ときゅう理論です。これだけ勉強する科目が多いと時間がかかってしまいます。そのため、

• 早めに試験対策の勉強を始める
• スキマ時間を活用して暗記系に取り組む

といった対策をするのがおすすめ。早めに対策を始めて広い勉強範囲に対応できるようにしましょう。

過去問を繰り返し解く

2つ目のポイントは過去問を繰り返し解くこと。その理由は

• 実際に出題される問題の傾向がわかる
• 自分の得意、苦手がわかる

の2つです。過去問をたくさん解くことで、実際に出題される問題の傾向を感覚的に掴むことが可能。本番の試験も自信を持って挑戦することができます。また、過去問を解くことは自分の苦手分野を知ることにも。苦手分野の暗記などインプットをやり直し、その後問題を解くなどアウトプットをすることで苦手な分野でも得点できるようになります。したがって、過去問は何度も繰り返し解くようにしましょう。

生理学や東洋医学は深く理解する

3つ目のポイントは生理学や東洋医学といった科目は深く理解すること。なぜなら、これらの科目は応用力が必要だから。実際の施術をするときには知識があるだけではなく、その知識を活用して施術に活かすことが必要です。そのため、生理学や東洋医学は表面上の知識を覚えるだけでなくより深く理解できるようになりましょう。

より深く理解するための勉強方法としては人に教えるのがおすすめ。おすすめの理由は深く理解するためにはインプットはもちろん、アウトプットが重要になるから。実際に人に教えることで

• 知識の体系化
• 書く、話すなど多様なアウトプットができる

といった効果を期待できます。ぜひ、試してみてください。

おすすめ参考書

鍼灸師の国家試験対策におすすめの参考書は

• 国試黒本 鍼灸あん摩マッサージ指圧師編・上下巻セット
• 徹底攻略！国家試験過去問題集 はり師きゅう師用

の2つ。それぞれの特徴を紹介します。

国試黒本 鍼灸あん摩マッサージ指圧師編・上下巻セット

1つ目のおすすめ参考書は「国試黒本 鍼灸あん摩マッサージ指圧師編・上下巻セット」です。おすすめの理由は、国家試験において重要な語句が網羅されているから。実際の国試黒本は細かな解説はありませんが、その分重要な語句のみで構成。そのため、国家試験で必要になる知識が網羅、整理されている内容になっています。鍼灸師の国家試験に向けたインプットは国試黒本がおすすめ。

徹底攻略！国家試験過去問題集 はり師きゅう師用

2つ目のおすすめ参考書は「徹底攻略！国家試験過去問題集 はり師きゅう師用」です。その理由は過去10年分の問題がまとめられているから。合格のためのおすすめ勉強法はとにかく過去問をたくさん解くことでした。そのため、過去10年分の過去問が収録されている問題集は重要です。また、分野別に問題が収録されていることも特徴。自分の苦手分野を見つけやすくなります。これらの理由から「徹底攻略！国家試験過去問題集 はり師きゅう師用」はおすすめの参考書です。

まとめ

今回の記事では鍼灸師の国家試験について、概要やおすすめの勉強方法、おすすめ参考書を紹介。今回の内容をまとめると

• 鍼灸師は鍼や灸を使って施術する東洋医学の専門家
• 鍼灸師になるためには国家試験に合格する必要がある
• 受験するためには指定の養成校を卒業することが必要
• 国家試験は例年2月下旬に実施される
• 会場は北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県の11都道府県
• 試験時間は午前が2時間、午後も2時間の合計4時間
• 試験科目は医療概論（医学史を除く。）、衛生学と公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、東洋医学臨床論の共通科目とはり理論、きゅう理論の専門科目
• 試験の方式はマークシートを使った選択式
• 試験の問題数は午前が80問、午後も80問の合計160問
• 受験の手続きには受験願書、写真用台紙、入力票、卒業（修業）証明書または卒業（修業）見込証明書が必要
• 受験手数料は23,200円
• 合格発表は例年3月末ごろ
• 60%以上の正答で合格
• 合格率は約70%
• おすすめ勉強法は早めに国家試験対策を始める、過去問を繰り返し解く、生理学や東洋医学は深く理解するの3つ
• おすすめ参考書は「国試黒本 鍼灸あん摩マッサージ指圧師編・上下巻セット」、「徹底攻略！国家試験過去問題集 はり師きゅう師用」の2つ

といったものでした。鍼灸師の国家試験は特別合格するのが難しい試験ではありません。試験対策をしっかりすることで合格を狙えます。鍼灸師を目指している人は今回の記事を参考に国家試験対策を始めましょう。

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