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ヘルスケアトレーナーとは?資格取得の3つのメリットを紹介

スポーツインストラクター

「ヘルスケアトレーナー」という職業を聞いたことがある人は少ないかと思います。

高齢化社会が進む日本で、私たちにとっても「健康」というテーマはより身近になってきました。

日々を健康的に過ごすためのサポートとして、企業に運動のメニューを作成したり指導をするために活躍しているのがヘルスケアトレーナーです。

この職業につくためには指定の研修を受ける必要がありますが、そのメリットはどんなものがあるのでしょうか。

本記事では、ヘルスケアトレーナーという職業についての概要と資格取得の3つのメリットを紹介します。

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ヘルスケアトレーナーとは

ストレッチをする様子の画像

ヘルスケアトレーナーとは、働いている人や怪我や病気とは無縁に元気に過ごせるようにサポートするための資格です。

企業からヒアリングした内容をもとにして、その企業に従事している人たちに向けたトレーニングメニューの決定やアドバイスするのがメイン業務です。フィットネスクラブやスポーツジムなどで健康測定の結果を基にして一人ひとりにあった運動プログラムを作成します。

例を挙げると、健康診断の結果が悪かったと従業員がいた場合にヘルスケアトレーナーはその従業員に適した運動プログラムの作成と指導を行います。ヘルスケアトレーナーには健康診断のどの結果が悪かったのか、どのような改善策があるのか、それは実現可能な案かなどを総合的に判断する力が必要です。

資格取得後は一般企業やフィットネスクラブなどが勤務地となります。

後述しますが、ヘルスケアトレーナーになるためには中央労働災害防止協会が実施している「運動指導専門研修」のカリキュラムを修了させてTHP指導者として登録しなくてはいけません。

THPはすでに何らかの資格を持っている人がプラスアルファの知識を身につけるために取得する資格なので、THP単体で資格取得するケースは少ないです。

この資格だけ持っていても就職に有利になるわけではないので、あくまで理学療法士や作業療法士といった専門的な資格がある人がスキルアップ目的で取得する資格だと言えます。

しかし、2022年11月時点で「運動指導専門研修」が新規受付を休止しているので、現状はこの資格を取得できなくなっています。

ネットでもヘルスケアトレーナーに関する情報を探してもほとんどヒットしないのはこれが理由です。

しかし、新規受付をしていないからといってヘルスケアトレーナーの存在が必要とされなくなったわけではありません。このあとの章ではヘルスケアトレーナーの需要や将来性についても紹介していきます。

ヘルスケアトレーナーになる方法

柔軟をする女性とそれをサポートする女性

それでは、ヘルスケアトレーナーになるにはどうすればいいのでしょうか。

ヘルスケアトレーナーになるためには、厚生労働省が推進している「心と体の健康づくり運動=トータル・ヘルス・プロモーション・プラン(通称THP)」が実施している運動指導専門研修を履修し、ヘルスケアトレーナーとして登録することで取得できます。

THPが実施している研修の中には運動指導専門研修以外にも下記のような種類があります。

  • 健康測定専門研修
  • 心理相談専門研修
  • 運動実践専門研修
  • 産業栄養指導専門研修
  • 産業保健指導専門研修

これらの研修を受けることでヘルスケアトレーナー以外にも健康測定研修修了医師や心理相談員、産業栄養指導者、産業保健指導者として活躍ができます。

どの研修もそれぞれ、働く人々の心と体の健康を支えるための人材を育成する目的があります。

まずは理学療法士や作業療法士、アスレチックトレーナーなど医療やスポーツに関する資格がある人が実践を通じてスキルを身につけます。その後、運動プログラムの作成や指導、指導力の向上などを目的として研修を受けるというのが一般的な流れです。

実務経験をある程度積んだら中央労働災害防止協会が実施する研修を受講し、ヘルスケアトレーナーとして活躍できます。

研修は年に1度、東京で開催されています。資格には更新が必要で、5年に一度の研修を受け直さなくてはいけません。研修を受けるだけで試験がない資格なので、受験資格をクリアしていれば資格自体はすぐに取得可能です。

THPとは

THP(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)はすべての人を対象としており、若いころから継続的で計画的な健康づくりを目指して心と身体の総合的な健康づくりを推進しています。

THPの基礎は労働安全衛生法の第69条と70条にあります。労働大臣が発表している「健康づくり指針」は、健康測定の結果に基づいた運動と栄養の指導、そして心理相談などを行うための指標が記載されています。

人々の健康づくりをサポートするためにはさまざまな方法や手段があります。その中でもTHPは産業医を中心とするスタッフによる6種類の測定指導があるので、その内容を見てみましょう。

  • 労働安全衛生法を基にした健康づくり
  • 若い頃からの継続的な健康づくり
  • 心と身体の両方を大切にする健康づくり
  • サービス機関のサポートによる中小企業従業員の健康づくり
  • 国民の健康づくりに対する国の助成制度

受講資格

医療・保健・健康に関する学科がある4年生大学を卒業しており、ヘルスケアリーダー研修を修了して指導援助経験が3年以上・栄養士や看護師、衛生管理士などの資格と指導援助の実務経験年数がある人です。

研修の受講だけで取れる資格ではありますが、受験資格はかなりハードルは高いと言えます。

申込に必要な書類

  • 参加申込書
  • 資格証明書類(卒業証書原本かそのコピー、実務経験証明書および研修の修了証、免許証のコピー、免許証のコピーと実務経験証明書)

研修初日には健康的な身体状態で運動研修に参加できることを証明する同意書を提出します。

受講日程

毎年2月中旬~下旬頃

受講地

東京

受講料

135,000円(会員:120,000円)

申込方法

①申込書と必要書類を送付

申込書と必要書類を郵送かFAXで送付します。(先着順で受付)

②確認書が届く

申込書を送付してから1週間前後で確認書が返送されます。

確認書とは、整理番号や振込金融機関名、入金額、不備書類の有無についての確認書類です。

③参加料納付

研修の1ヶ月前までに参加料を納付します。参加料は前納制なので注意してください。

④参加票が届く

研修の2週間前に参加票、会場のマップ、日程表などが送付されてきます。

合格後について

THP指導者登録の有効期間は3年間となっています。

2つの指導者登録をしている人は、1つ目の指導者登録有効期限が前年、2つ目の指導者登録有効期限が今年の場合は1つ目の有効期限が自動延長されて、今年に両方の指導者更新wをすることが可能です。

更新に必要な単位

  • 指導者登録の有効期限が過ぎる前の3年間に取得した単位…6単位以上
  • 指導者登録の有効期限が過ぎる前の5年間に取得した単位…10単位以上

登録の更新には最低6単位以上の単位を取得しなくてはなりません。

ただ単純に単位数を満たすだけでなく、常に最新の情報をチェックしながら計画的に単位を取るための勉強をしていきましょう。

ヘルスケアトレーナーの資格を取得する3つのメリット

ヘルスケアトレーナーになるための資格を取ると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、運動指導専門研修を履修してヘルスケアトレーナーになる3つのメリットについて見ていきます。

①研修を受講するだけで資格取得できる

受講条件はハードルが高いですが、医療や健康に関する仕事についている人であれば研修だけで取得できる資格となっています。

ただし受講期間が長く、費用も100,000円以上かかってしまうというデメリットがありますが、講習だけでヘルスケアトレーナーという一生ものの資格が取れることは大きなメリットです。

今のキャリアに何かひとつプラスとなる資格が欲しいという人にとって、ヘルスケアトレーナーはおすすめです。

②パーソナルトレーナーなどフィットネス業界で働く際に有利になる

近年はパーソナルジムの人気も高まり、そこで勤務するパーソナルトレーナーの需要も高まりを見せています。他のトレーナーと差別化を図る際にもヘルスケアトレーナーの資格は便利です。

パーソナルトレーナーのメインとなるターゲット層は「仕事をしている若い人」が多いです。まさしく運動指導専門研修が対象としている人たちの指導ができるため、この資格で学んだ内容が活かされるでしょう。

③需要が年々増えている

ヘルスケアトレーナーの存在が重宝されるのは、産業医がいる大企業がメインです。また、最近ではフィットネスクラブや、パーソナルジムと言ったフィットネス業界でも需要が広がっています。

高齢化社会の影響を受けて、最近では身体を動かすことが趣味のお年寄りも増えてきています。若い層はもちろんのこと、健康寿命をのばすために運動している高齢者をターゲットとした指導も今後さらに増えていくでしょう。

ヘルスケアトレーナーは、日本にいる多くの人々の健康を支える存在として今後活躍していくでしょう。

ヘルスケアトレーナーの将来性と年収

背伸びをする女性の画像

ヘルスケアトレーナーの資格をとるメリットについて紹介しましたが、この職業についてさらに深く探ってみたいと思います。この章では、ヘルスケアトレーナーの将来性と年収について解説します。

将来性

高齢化が進む日本では健康への意識は年々高まっており、ヘルスケアトレーナーの需要も今後さらに高まると予想されています。

ヘルスケアトレーナーの資格があればフィットネスクラブでトレーナーとして働いたり、パーソナルジムでパーソナルトレーナーとして経験が積めるでしょう。

また、近年では妊婦を対象とした健康づくりも注目が集まっています。そのため「マタニティヘルスケアトレーナー」として専門的な指導ができれば、さらに活躍の幅が広げられるでしょう。

どの職業に就くとしても、運動プログラムの作成と指導だけでなく人体の構造や身体の仕組みについての知識もつけていかなくてはいけません。理学療法士や作業療法士などの国家資格も取得すれば、さらなるキャリアアップも目指せるでしょう。

年収

相場は初任給でおよそ300万となっています。ヘルスケアトレーナーとして勤務しながら、先ほど紹介した国家資格を取得をしたり、運動指導を専門としたにパーソナルトレーナーやマタニティヘルスケアトレーナーになったりとさまざまなキャリアプランがかんがえられます。

職業によっては年収600万以上になることもあるので、自分の目指す職業に活かせる資格を新たに探すのも良いかもしれません。

ヘルスケアトレーナーが生まれた背景

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この資格が生まれたのはどのような背景があったのでしょうか。ヘルスケアトレーナーの起源について見ていきましょう。

「働く人」の高齢化

高齢化が進むということは、今も一般企業で働いている従業員の平均年齢も徐々に上がってきているということです。

従業員や職場環境に関する「労働安全衛生法」には企業側(雇い主)は従業員が健康でいられるように努力すべきだと定めています。また、この法律は厚生労働大臣に対して「働く人が健康に仕事ができるように必要な指針を打ち出すべき」とも記載されています。

この流れを受けて厚生労働省が定めたのがTHPです。

企業で働く多くの人々に健康でいてもらうことで仕事のパフォーマンスを向上させて労働災害を防止するのが目的となっています。

働く人が怪我や病気をせずに仕事に集中できる環境を作るべき、という指針が打ち出されたということです。

現代人によく見られる心疾患や脳疾患の原因となる肥満の増加、そして仕事における強い不安やストレスなど、心身ともに怪我や病気を招く原因が多くなってきています。

メンタルヘルスケアも含め、多くの従業員が健康的に長く働いていけるように作られた資格がこの「ヘルスケアトレーナー」です。

ヘルスケアトレーナーの現状

健康維持

冒頭でも少し触れましたが、ヘルスケアトレーナーは現在新規募集をストップさせています。これは、ヘルスケアトレーナーの需要が高止まりしてしまったということなのでしょうか。ヘルスケアトレーナーの現状についても見ていきましょう。

2022年11月時点ではヘルスケアトレーナーになるために必要不可欠である「運動指導専門研修」が実施されていません。

近年のコロナウイルスの影響もあってか研修を開催しても受講者が集まらず、研修そのも野の開催が困難であったことが予測されます。また、研修期間が2週間の長期であることや高額な参加費用も研修が開催できなかった要因のひとつと考えられているようです。

このような流れで現在はヘルスケアトレーナーの資格を新規取得できない状況ですが、働く人の健康に関する需要がなくなったわけではありません。

中央労働災害防止協会は、新たに「健康づくりマネジャー」と呼ばれる、ヘルスケアトレーナーに代わるTHP指導者枠を設立しました。

この資格はヘルスケアトレーナーと同じく企業で働く人の健康を支援する仕事です。

形を変えてはいますが、現在もこのようにヘルスケアトレーナーのような役割を担った仕事が多くの働く人の健康を支えています。

まとめ

ヘルスケアトレーナーは2022年11月現時点では、新規の募集を停止しています。しかし、この職業自体は今後の高齢化社会において非常にニーズが高まっていくことが予想されます。ヘルスケアトレーナーの資格はあれば、フィットネスクラブやパーソナルジムなどでも活躍できます。

資格取得をすれば確かな知識と技術があることを証明できるので、就職にも有利になります。

今後ヘルスケアトレーナーの需要が増えるので、ぜひ今後のキャリアプランとして検討してみてください。

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